ロッドからのロッド者への贈り物
昨年5月に『タイム ~ 時の旅人 ~ 』で全英チャート1位を獲得したロッド・スチュワート(Rod Stewart)。今年69歳。年齢など関係無しにアグレッシブに活動を続ける、ロック界最高のボーカリストである。
そんなロッド・スチュワートが、今年の3月、未発表のライブ音源を一気にリリースした。CD4枚組のボリューム。そのタイトルは『Live 1976-1998 : Tonight's The Night』(写真左)。1976年から1998年まで、18年間に及ぶライヴ音源をCD4枚に凝縮。収録される58曲すべてが未発表。ふへ〜っ、思い切ったことしたなあ。
Disc1は、全て1976年のライブ音源で占められる。1976年と言えば、ロッドは、その前年、あの名盤『Atlantic Crossing』をリリース、そして、その続編となる『A Night on The Town』をリリースした年。確かに、『Atlantic Crossing』から『A Night on The Town』の雰囲気がそのままライブ音源に反映されている。
Disc2は、1976年から1981年までのライブ音源。冒頭にあの名曲「Sailing」が配置され、このDisc2のライブ音源は、フェイセズ時代やソロ初期時代の曲など、ロッドとして珍しい曲が並ぶ。ロッドって、ライブでは結構過去の曲とか、オールディーズのカバーを結構やってたんやね。
Disc3は、1984年から1989年までのライブ音源。1980年代はMTVの時代。リズム&ビートは打ち込みが主流となり、録音はデジタルが主流になって、音楽的には不毛な時代。そんな時代にも、ロッドは1970年代と全く変わらないライブ・パフォーマンスを繰り広げている。素晴らしい。
Disc4は、1991年から1998年までのライブ音源。ここまでくると、ロッドのライブはもはや、揺るぎの無い内容になっている。ソロ時代の曲もあれば、オールディーズのカバーもあり、とにかく楽しくロッドは歌い続ける。意外とこの1991年から1998年のライブ音源が感動的。
ライブ・パフォーマンスの内容としては、どのDiscも「上の下」から「中の上」の出来。凄く内容の良い、いわゆる「化学反応が起きた」ライブ音源は無い。といって「これはなあ」と眉をひそめるような、出来の悪いライブ音源も無い。感心するのは、4枚のディスクのライブ・パフォーマンスの内容に全くバラツキの無いこと。
逆に、全ての音源が「未発表音源」の理由が良く判る。これは凄い、と感動するライブ音源はほどんど見当たらない。どの演奏についても、ロッドはとにかく十分にリラックスして、楽しく唄っている。生粋のエンターテインメント。ライブを見に来た客をとにかく楽しませることに徹している。
だから、このライブ盤、ロッドのファン、いわゆる「ロッド者」として聴くには、とても楽しい内容となっていて、ロッドのリラックスした楽しいパフォーマンスをCD4枚のボリュームで堪能出来る、素晴らしい未発表ライブ音源集になっています。
逆に、ロッドに興味の無い人には必要の無いCD4枚組でしょうね。それで良いんです。このCD4枚組未発表ライブ音源は、長年忠誠を誓ってきた「ロッド者」へのロッドからの贈り物なんですから。
大震災から3年1ヶ月。決して忘れない。まだ3年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。
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