« ブルーベックの印象が変わります | トップページ | 初めて出会った山下洋輔トリオ »

2014年4月15日 (火曜日)

ブルーベックが歌伴を務めた盤

さて、今日もデイブ・ブルーベックの珍しい盤をご紹介しよう。デイブ・ブルーベックは、日本では評判が芳しく無い。スイングしないだの、ファンクネスを感じないだの、黒く無いだの、ジャズらしく無いだの、けちょんけちょんである(笑)。

何故、日本ではこんなに酷評に次ぐ酷評をされるのかが判らない。米国では、かなりの評価を得ている訳だから、日本でのこの評価の低さは何故だろう。僕には不思議でたまらない。

ちゃんと聴けば、デイブ・ブルーベックだって、一流のジャズ・ミュージシャン。悪かろう筈が無い。というか、2012年12月に、91歳で鬼籍に入るまで、約50年間、第一線で活躍できる筈が無い。デイブ・ブルーベックもしっかりとした個性を持った、優れたピアニストである。

スイング感は希薄で、それでいて流麗な、流れる様なピアノのフレーズ。しかし、タッチは硬質でクラシックのタッチでは決して無い。あくまで、ジャズ畑のピアニストのタッチ。ブルーベックは、クラシックの4拍子の流れの様に、スクエアに「スイング」する。

日本での評判の悪さ。ブルーベックにソロ・ピアノは無理だ、と言われたが、ブルーベックには『Brubeck Plays Brubeck』という優れたソロ・ピアノ作がある。それでは歌伴は無理だろう、と言われるが、確かに、スクエアに「スイング」するブルーベックには歌伴は無理かなあ。

と思っていたら、またまた、この歳になって、ブルーベックのこんなアルバムに出会った。なんと、デイブ・ブルーベックが歌伴をやっているのだ。
 

Brubeck_and_rushing

 
そのアルバムとは、The Dave Brubeck Quartet Featuring Jimmy Rushing『Brubeck & Rushing』(写真左)。1960年の録音になる。ちなみにパーソネルは、Jimmy Rushing (vo), Dave Brubeck (p), Paul Desmond (as), Gene Wright (b), Joe Morello (ds)。ジャズとブルースの大歌手ジミー・ラッシングが、デイヴ・ブルーベック・カルテットと共演したアルバム。

ルイ・アームストロングばりのダミ声だが、ウォームでソウルフルなラッシングのボーカルに、硬質なタッチでスイング感は希薄ではあるが、それでいて流麗な流れる様なブルーベックのピアノが良く合う。ソウルフルでブルージーな歌声に、リリカルなピアノやバップなピアノは似合わない。

合わせて、デスモンドのアルトも相性が良い。クールでウォームなデスモンドのアルトは、ラッシングのボーカルに相対するものであり、この対比もまた良い。

遅れたが、ジミー・ラッシングについて、簡単にご紹介しておこう。ジミー・ラッシングは1903年8月オクラホマで生まれ。30歳を過ぎて、カウント・ベイシー楽団に入団し、人気ボーカリストとなる。その後、独立し活躍を続け、1972年6月、68歳でこの世を去った。

このジミー・ラッシングの優れたボーカルは、このアルバムのハイライト。ブルーベックの優れた歌伴と、ラッシングのボーカルに相対するウォームなアルトの存在が、このアルバムを更に魅力的なものにしている。

ブルーベックのピアノが歌伴を務めるアルバムがあるとは知らなかった。しかも、魅力的な歌伴である。スクエアに「スイング」するブルーベックは歌伴も立派にこなす、優れたジャズ・ピアニストの一人であった。

 
 

大震災から3年。決して忘れない。まだ3年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ブルーベックの印象が変わります | トップページ | 初めて出会った山下洋輔トリオ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ブルーベックが歌伴を務めた盤:

« ブルーベックの印象が変わります | トップページ | 初めて出会った山下洋輔トリオ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2020年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

カテゴリー