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2014年4月 3日 (木曜日)

春雨に良く似合うプログレです。

今日は一日雨の千葉県北西部地方。しとしとと春の雨である。空はどんより鉛色。外は雨で霞む乳白色。そんな窓からの光景を見ながら聴くのは「プログレッシブ・ロック(略してプログレ)」。

久し振りにドイツ・プログレ。ドイツのプログレと言えば、タンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream)。春雨で霞む乳白色の街に、タンジェリン・ドリームの音は良く似合う。

タンジェリン・ドリームの音世界は、一言で言うと「シンセサイザー・ミュージック」。シンセサイザーを中心とした、シンセの音を積み重ねた音世界。シンセとは言っても、1970年代はアナログ・シンセが中心なので、どこかアナログっぽくて、音が太くて、どこか暖かみのある音世界。

今日のアルバムは『Stratosfear』(写真左)。タンジェリン・ドリーム8枚目のオリジナル・アルバム。1976年のリリースになる。アルバム・ジャケットが魅力的。明快に「プログレ」って感じ。「Stratosfear」とはドイツ語で「成層圏」を意味する。

 
私はこのアルバムでより人間的な音を追及しようと試みた。
(エドガー・フローゼ談)
『Stratosfear』は特に気に入っている。開放的な感じが良い。
(クリストファー・フランケ談)
 

Stratosfear

 
このアルバムを制作した時のメンバー二人の談話を見ても、このアルバムは、タンジェリン・ドリームの自信作と言って良いだろう。確かに、良く出来たアルバムである。
 
初期の頃のタンジェリン・ドリームは、シンセを駆使するが、音的には電子音楽的な前衛指向なものから始まり、音を浮遊させる様な、水墨画の様な淡い音の濃淡が特徴の音世界だったのだが、ここにきて、シーケンサーを活用し、リズム&ビートをハッキリさせた音世界に大きく変貌している。

そして、アルバム全体の曲の展開も、リズム&ビートがダイナミックな展開と、リズム&ビートを抑制した繊細な展開とのメリハリのある、1曲の収録時間も長い、プログレ独特の大がかりな展開が特徴の音世界となっている。前作の『Ricochet』と合わせて、タンジェリン・ドリームのアルバムの中で、実にプログレらしい内容に仕上がっている。

使用する楽器も多岐に渡っている。アナログ・シンセは勿論のこと、12弦ギターからエレギを活用。当時のプログレ御用達のメロトロン、そして、フェンダー・ローズ、リズム&ビートはシーケンサーが担当、ところどころパーカッションを使用している。

音の展開は、アナログ・シンセの情緒的な音に流されず、しっかりとした理詰めの展開に終始し、破綻したり緩んだりしないところは、如何にもドイツのプログレらしいところ。
 
このガッチリと硬派に理詰めの展開が、タンジェリン・ドリームの個性であり、タンジェリン・ドリームを唯一無二の存在とさせている所以である。

タンジェリン・ドリームの音世界は、春の雨に良く似合う。そして、その音世界にどっぷり浸かりつつ、うつらうつらと知らぬ間に微睡んだりする。これも「また良し」である。

 
 

大震災から3年。決して忘れない。まだ3年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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