最近のトラックバック

« フリー・ジャズをバックに唄う | トップページ | ブルーベックの印象が変わります »

2014年4月13日 (日曜日)

ジャズ・ボーカル盤は歌伴に注目

春はジャズ・ボーカルを愛でるに相応しい季節なんだが、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジャズ・ボーカルの選盤基準が、ちょっと他とは違う。

その我がバーチャル音楽喫茶『松和』のジャズ・ボーカル盤の選盤基準の一つが、ジャズ・ボーカルの伴奏者に注目して選ぶこと。特に、ピアニストに注目して、ジャズ・ボーカル盤を選盤することが多い。

例えば、昔から好きなボーカル盤の一枚がこれ。Oscar Peterson & Ella Fitzgerald『Ella & Oscar』(写真)。1975年5月、ロスでの録音。ちなみにパーソネルは、Ella Fitzgerald (vo), Oscar Peterson (p), Ray Brown (b)。Pabloレーベルに残されたNorman Granzプロデュース作品。

Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)は、ビリー・ホリデイ、サラ・ヴォーンと共に、女性ジャズ・ボーカリストの最高峰に位置する、不世出な存在である。愛称は「Lady Ella」または「The First Lady of Song」。彼女の歌は、どのアルバムでも聴けば判るが、素晴らしい歌声と素晴らしいテクニックを持ったもの。

しかし、僕はエラのバックで伴奏に徹するオスカー・ピーターソンに興味がいってしまう。オスカー・ピーターソンは、ジャズ・ピアノ史上、最高のテクニックの持ち主で、そのスインギーかつ高テクニックなフレーズは、他の追従を許さない。そのオーバー・スイング気味の圧倒的なアドリブ・フレーズは凄まじく、あまりの凄さに「スイングの権化」と揶揄されることもある。
 

Ella_and_oscar

 
女性ボーカリストの最高峰とジャズ・ピアノの最高峰との邂逅である。どちらも最高峰な二人なので、我が出て、なかなかまとまらないのではと危惧するが、これがそうならないのが、ジャズの面白いところ。それも、そのはず、このエラとピーターソンの二人は、1940年代後半から1950年前半に人気を博したJATP(Jazz at the Philharmonic)で、バッチリと共演しており、その相性は抜群なのだ。

この『Ella & Oscar』は、エラが58歳、ピーターソン50歳。ジャズ・ミュージシャンとしても成熟の域に達していて、それはそれは、粋でスインギーでジャジーな、これぞジャズ・ボーカルというパフォーマンスを聴かせてくれる。

ピーターソンは歌伴上手という評価があるが、確かにそれは言える。ピーターソンは、自らがリーダーのアルバムの時とは異なり、ジャズ・ボーカリストの共演の場合は徹底的に歌伴に徹する。音の大きさは、決してボーカリストの前に出ることは無い。テクニックについても、ボーカルを邪魔するような、高テクニックな弾きまくりは一切無い。

逆に、高テクニックなだけに、ボーカルの様々なシチュエーションに適応する。歌伴として、表現のバリエーションがかなり豊かであり、いかなるボーカル曲であれ、歌伴ピアノとして、ボーカリストを惹き立て、ボーカリストを徹底的に立てる。いや〜、とにかく、ピーターソンの歌伴は素晴らしい。

ピーターソンの素晴らしい歌伴を得て、エラはその才能と歌声、そしてテクニックのあらん限りを尽くして、アルバム全編に渡って唄いまくる。優れた歌伴によって、エラのボーカルの魅力が2倍にも3倍にも増幅されている。

歌伴あってのボーカル。歌伴が優れていれば、そのボーカル盤は2倍にも3倍にも、その魅力が膨らんでいく。

 
 

大震災から3年。決して忘れない。まだ3年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

« フリー・ジャズをバックに唄う | トップページ | ブルーベックの印象が変わります »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/55765377

この記事へのトラックバック一覧です: ジャズ・ボーカル盤は歌伴に注目:

« フリー・ジャズをバックに唄う | トップページ | ブルーベックの印象が変わります »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ