最近のトラックバック

« キースの個性が希薄なピアノ・ソロ | トップページ | 英国ソフト&メロウ・フュージョン »

2014年3月31日 (月曜日)

春にはフリージャズが良く似合う

なぜか、春になると、フリー・ジャズが聴きたくなる。恐らく、春の暖かな、優しい雰囲気の裏にある、そこはかとない「狂気」を感じて、そのそこはかとない「狂気」がフリー・ジャズを聴きたくさせるのだろうと思っている。春にはフリー・ジャズが良く似合う。

フリー・ジャズと言えば、今年は、ちょっと山下洋輔のフリー・ジャズを聴き込もうと思っている。で、今日はこれ。このアルバムから、山下洋輔ワールドへ突入である。

Yosuke Yamashita Trio With Brass 12 Introducing Takeo Moriyama『Gugan』(写真左)。1971年9月25日の録音。主なパーソネルは、山下洋輔(p), 中村誠一(ts), 森山威男(ds), 12人のブラス・セクション。

ピアノ+テナー+ドラムの変則トリオに12人のブラス・セクションを加えたフリー・ジャズ。意欲作ではある。あちらこちらの評論にも書かれているが、フリー・ジャズの方法論をビッグ・バンドな編成に持ち込もうとしたアプローチは斬新ではある。

Introducing Takeo Moriyamaと副題が付いているだけあって、森山威男のドラミングが凄まじい。延々と叩きまくるんだが、それが聴いていて飽きない。ビートのうねりというか、ビートの抑揚が音のフレーズの様に流れては消え、ドラムでアドリブ・フレーズを歌い上げるというか、単にドラムを叩いているだけでは無い、ビートによるフレーズを感じさせる、凄まじいドラミング。

ラストの「グガン」なんて、その森山威男のドラミングの最たるもので、ドラミングで、フリーキーなアドリブ・フレーズを叩きまくる、ドラムでフリーな旋律を叩き上げる、そんな凄いパフォーマンスだ。

山下のピアノは、もはや言うまでも無い。この天才ドラマーをパートナーとして、山下のピアノは、よりパーカッシブにフリーなフレーズを叩き上げていく。ドラムと相対しつつ、対峙しつつ、ドラムとの相乗効果を発揮しつつ、パーカッシブなピアノで、フリーキーなアドリブ・フレーズを叩きまくる、ピアノでフリーな旋律を叩き上げる。
 

Yamashita_brass12

 
中村のサックスも強烈だ。特にソプラノのフリーキーなフレーズは、中村ならではの個性。決して、他のフリー・ジャズをやるサックス奏者の誰とも似通うことは無い。中村ならではのフレーズで吹きまくる。

ドラムとピアノに対峙して、パーカッシブなサックス・ソロを吹き流していく。不思議なことに、中村のフリーキーなフレーズは聴きやすい。耳に馴染み易いフリーなインプロビゼーションである。

で、ブラス12の存在意義であるが、ほど良いアクセントになってはいる。12人のブラスセクションが、ビッグバンドのマナーに則りつつ、フリーキーなアドリブ・フレーズを吹き上げていく。迫力満点。ただ、フレーズの基本部分がコルトレーンっぽいのが玉に瑕かなあ。

ブラスの響きは、フリー・ジャズの範疇で言うと、ジョン・コルトレーン、ローランド・カークな響きが主流。ローランド・カーク的なユニゾン&ハーモニーは耳に新しく響くが、コルトレーン風なフリーな展開は、あんまり新鮮には響かない。まあ、こんなものかなあ、って感じ。

アルバム全体の雰囲気は、絶対的に山下洋輔のフリー・ジャズ。他のフリー・ジャズな演奏に全く似通っていない、山下洋輔ならではのフリー・ジャズな方法論を展開する。そして、山下洋輔のフリー・ジャズは耳に馴染み易い。思いっきりフリーな演奏なんだけど、耳に馴染む。耳に五月蠅くない。ポップなフリー・ジャズとでも形容したら良いかな。

当時、この山下洋輔トリオのメンバーは皆、20台(山下29歳、森山26歳、中村24歳)。若さ故の疾走感、爽快感溢れる、ポップなフリー・ジャズである。ブラス12も加わって、圧倒的にぶ厚いフリー・ジャズである。

 
 

大震災から3年。決して忘れない。まだ3年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« キースの個性が希薄なピアノ・ソロ | トップページ | 英国ソフト&メロウ・フュージョン »

コメント

松和のマスター様
こんばんは

確かにアメリカ、イギリスのフリージャズに比べると、
山下洋輔のフリー・ジャズはポップですね。
うるさくないというご指摘はなるほどと思いました。
トリオだから隙間があるっていうことも一因でしょうけれども、
チームプレイで出過ぎないお国柄もあるのかも。

GAOHEWGIIさん、こんばんは。松和のマスターです。
 
なるほど、チームプレイで出過ぎないお国柄、ですか。
一理ありますね。納得です。あと、隙間という「間」の
意味を直感的に理解している民族、というのもありかな、
とも思います。
 

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/55592977

この記事へのトラックバック一覧です: 春にはフリージャズが良く似合う:

« キースの個性が希薄なピアノ・ソロ | トップページ | 英国ソフト&メロウ・フュージョン »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ