NYを舞台とした曲を集めて・・・
高校時代から憧れの場所というものが幾つかある。僕達の高校時代は1970年代中頃、1ドルは360円の固定相場制で、海外旅行は、一般的にはまだまだ高嶺の花の時代である。まあ、大学行って社会人になっても、訪れることは叶わないだろうなあ、という場所が「憧れ」の場所だった。
そんな僕にとっての憧れの場所のひとつが「ニューヨーク」。ニューヨークを生まれて初めてシビアに意識したのは、サイモン&ガーファンクル(S&G)に出会ってからである。S&Gの歌の舞台がニューヨーク。摩天楼、ジャズ、アメリカン・ドリーム等々。ニューヨークに行ってみたいなあ、と強く思ったのが、高校2年生の時。
ジャズを聴き始めてからも、ニューヨークを舞台にした曲には、からきし弱い。僕の憧れの場所、ニューヨークを様々な角度から歌い、様々な角度からイメージして曲にし、様々な雰囲気で演奏する。そんなニューヨークを舞台にしたジャズ演奏に僕は弱い。
そんな僕が、大学時代からその存在を強く意識しながらも、なかなか入手出来なかったジャズ・ボーカルのアルバムがある。そのアルバムがこれ。Mel Tormé(メル・トーメ)の『Sunday In New York & Other Songs About New York』(写真左)である。
1963年12月の録音。タイトルからダイレクトに判る様に、ニューヨークを舞台とした曲を集めて、ジャズ・ボーカルで唄い上げた、何ともはや、ニューヨーク好きにとって垂涎のアルバムである。
メル・トーメは1925年生まれ、ロシア系ユダヤ人で、ドラマー、作曲家、俳優、そして歌手。僕にとっては、ジャズ・シンガーとしての印象が強く、「ベルベットの霧」と呼ばれた、暖かみがあって、ロマンティックで、やや女性的な雰囲気も漂う繊細な歌声は、男性ジャズ・ボーカルとして、ポップで親しみ易いもの。フランク・シナトラと並ぶ男性ジャズ・ボーカルの雄である。
僕は、このメル・トーメの歌声が大好き。そのメル・トーメが、ニューヨークを舞台とした曲を集めて、全曲、朗々と唄い上げるのである。このアルバムは欲しい。大学時代からずっとそのチャンスを待ったのだが、なかなかそのチャンスは巡り来ない。そして、今年、やっとこのアルバムがリイシューされて、やっとのことで、アルバムとして入手した。
収録曲を並べると以下の通りになる。ニューヨークを舞台とした、優れた楽曲がずらりと並ぶ。確かに、この収録曲を見渡すと、ニューヨーク好きにとって垂涎のアルバムである。
1. Sunday in New York
2. Autumn in New York
3. Lullaby of Birdland
4. Broadway
5. The Brooklyn Bridge
6. Let Me Off Uptown
7. Forty Second Street
8. Sidewalks of New York
9. Harlem Nocturne
10. New York, New York
11. There's a Broken Heart for Every Light on Broadway
12. Manhattan
13. My Time of Day
「Sunday in New York」「Autumn in New York」「The Brooklyn Bridge」「Forty Second Street」「New York, New York」あたりが、メル・トーメの歌唱がバッチリ合って、凄く粋で良い雰囲気である。他の曲だって素晴らしい出来。メル・トーメの代表盤の一枚と評価して良いほど、素晴らしい歌唱が次々と続く。
このニューヨークを舞台とした、優れた楽曲がずらりと並ぶ、メル・トーメのアルバムを聴けば、ニューヨークのあちらこちらの風景や雰囲気を、昨日のことの様に思い出す。良いアルバムです。
1970年代後半の学生時代、ニューヨークなんて一生のうち、訪れることなんて無いんやろな、と半ばあきらめの「憧れ」だったニューヨーク。それがまあ、どこでどうなったんだか、社会人になって、仕事で4回、通算2ヶ月ほど、ニューヨークを訪れることになろうとは(笑)。
実は、その仕事(出張ですね)に絡めて、有名な場所はほどんど訪れた。ニューヨークは憧れに値する素晴らしい場所である。また絶対に行ってみたい。そして、その時には、このメル・トーメのアルバムを聴きながら、セントラルバークでウォーキングをしまくりたい。
大震災から3年。決して忘れない。まだ3年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、復興に協力し続ける。
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