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2014年3月 5日 (水曜日)

サンタナのAORフュージョン化

前作の『Amigos』で、SANTANA(サンタナ)はラテン・ロックに立ち戻り、ファンキーではあるがジャズとは対極にある、ソウル・ミュージック、R&B、サルサな要素をごった煮にして、思いっきりポップなロックをいきなり展開した。

この『Amigos』のキーワードは、ラテン・ロックのリズム&ビートをベースにした「ごった煮」音楽。この「とっ散らかった」雰囲気は『Amigos』の個性だった。ポップでラテンでダンサフルでファンキーな音世界が展開されていた。1976年の米国ビルボードで10位とセールス的にも回復した。ホッと一息のサンタナであった。

そして、その次のアルバムが『Festival』(写真左)。1977年初頭のリリース。前作でラテン・ロックに立ち戻ったサンタナは、そのラテンなリズム&ビートをベースに、ポップでポジティブな演奏が繰り広げられる。とにかく明るい躍動感のある演奏が多い。タイトルの『Festival』も成る程、言い得て妙である。

演奏の雰囲気は、当時流行のAORフュージョン。ムーディーでスムースな面もしっかりあって、アルバム全体の雰囲気としては、もはや、ラテン・ロックの範疇の音では無い。基本はAORフュージョンである。かといって、ジャズあがりのフュージョンでは無い。あくまでも、ロックあがりのフュージョンである。

聴いていて楽しい。聴いていて、耳当たりが良い。躍動感と明るさを全面に押し出したラテン・ロックの精神と、流行のAORフュージョンの柔らかと滑らかさ。今の耳で聴くと、ありそうで無い、なかなか個性的なサウンドである。
 

Santana_festival

 
ロックとして聴くと、尖ったところが丸くなっていて、ちょっと物足りなさを感じるかもしれない。でも、ロック畑からのフュージョン・ジャズとして聴くと、ぴったりと感覚がフィットします。

そう、この『Festival』の音世界は、フュージョン・ジャズだ。確かに、ラテン・ロックなフレーバーな楽曲は、ちょっとチック・コリアを想起したりする。ボーカル入りのムーディーな楽曲は、ハービー・ハンコックのファンキー・フュージョンを想起したりする。さすがジャズに精通しているサンタナだけはある。

このアルバムで、サンタナはロックから、フュージョン・ジャズへとその音世界を広げた。そして、ラテンなフレーバーは、ワールド・ミュージックを取り込んだフュージョン・ジャズとして、再び光り輝くのだ。

前作『Amigos』に続いて、この『Festival』で、サンタナは人気回復を目指した。が、なかなかセールス的には芳しく無かった。米国ビルボードで27位。ロックでは無い、フュージョンなサンタナには、ちょっと辛いセールスだった。確かに、ラテンなサンタナには戻ったのだが、どうも上手くない。

ジャズ者の我々には、なかなかの内容に響くアルバムなんですが、AORフュージョンの柔らかと滑らかさが、ロック者の方々には物足りなく感じるんでしょうね。聴き方を変えれば、ジャズでもなければ、ロックでも無い、とも言える。このサンタナのAORフュージョン化は中途半端だったのかもしれない。

 
 

大震災から2年11ヶ月。決して忘れない。まだ2年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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