最近のトラックバック

« スクエアで流麗な「スイング感」 | トップページ | 夏にも良いが冬にも良い盤です »

2014年2月21日 (金曜日)

ガーナーはジャズ者上級者向け

もう既に36年もの間、ジャズを聴き続けて来た訳なんだが、ジャズ入門本で名盤と勧められようが、ジャズの定盤と言われようが、何度聴いても、どこから聴いても、どうにも良く判らない、どうにもどこが良いのかが判らないアルバムが幾枚かある。

そんな何度聴いても、どこから聴いても、どうにも良く判らない、どうにもどこが良いのかが判らないアルバムの一枚が、Erroll Garner『Concert By The Sea』(写真左)。Erroll Garner(エロル・ガーナー)は1921年、ペンシルベニア州の生まれ。1977年、56歳で鬼籍に入っている。僕がジャズを聴き始めたのが1978年なので、僕がジャズを聴き始めた頃には、この世に居なかったことになる。

エロル・ガーナーは、ジャズ・ピアノの歴史において、どの系譜にも属さない独特のポジションに居る。ガーナーは、1921年生まれなんだが、ガーナーが20歳台であった、1940年代のビ・バップのムーブメントには、彼は全く無縁だった。

ということは、彼のピアノは、ビ・バップ以降、バド・パウエルが確立した「モダン・ジャズ・ピアノ」の流れには全く乗っていない訳で、ということは、ガーナーのピアノは、ビ・バップ以降の「モダン・ジャズ」としての特徴を兼ね備えてはいない、ということになる。

僕の場合、このビ・バップ以降の「モダン・ジャズ」としての特徴を兼ね備えてはいない、というところが、ジャズを聴き始めた頃の耳には、全く馴染まなかった。遅れて強力なタッチで入る左手、明るすぎるくらいに弾けまくる右手、情緒という言葉は全く関係無い、テクニックの続く限り弾きまくるアクロバティック性。

若い頃、これにはついていけなかったなあ。Erroll Garner『Concert By The Sea』は聴く度に「敗退」の気分を味わう、僕にとっては、かなりの「難物」だった。とにかく、何が良いのか、どこを聴いて良いのかが判らない(笑)。

でも、40歳を過ぎた頃からだったか、ビ・バップ以降の「モダン・ジャズ」としての特徴を兼ね備えてはいない、ということは、モダン・ジャズ以前のジャズの流儀を踏まえたピアノということになる。モダン・ジャズの響きがしない、1920年代から1940年代までの、当時のポップで大衆的で、エンタテインメントなピアノの響きということになる。
 

Cocert_by_the_sea

 
ということは、スイング・ジャズを踏まえたピアノだったり、当時の流行の弾き方だったブギウギ・ピアノであったり、スライド・ピアノであったりする。つまりは、モダン・ジャズの基となった、モダン・ジャズ以前の、モダン・ジャズの要素となった、ポップで大衆的なピアノの響きなのである。

つまりは、モダン・ジャズとして聴くからややこしいのであって、モダン・ジャズ以前のモダン・ジャズの要素となり礎となった、ポップで大衆的なピアノの響きを愛でると考えると、実は思いっきりスッキリする。まあ、この感覚がなんとなく理解できるようになったのは、つい最近。

もうこの歳になると、エロル・ガーナーのビ・バップ以降の「モダン・ジャズ」としての特徴を兼ね備えていないピアノを聴いても、違和感は感じない。ひとつのポップ・ピアノのスタイルとして聴くことが出来る。モダン・ジャズ以前の、モダン・ジャズの要素となり礎となった、ポップで大衆的なピアノとして聴くと、なかなかに興味深い。

とは言っても、判り易いピアノとは言えない。ガーナーのピアノのフレーズのオフ・ビートが、ジャズのスタンダードなオフ・ビートが、ちょっとズレるというか、ちょっと調子が違う。よって、このエロル・ガーナーをモダン・ジャズ・ピアノとして、聴くのは辛い。やはり、モダン・ジャズ以前の、モダン・ジャズの要素となり礎となった、ポップで大衆的なピアノとして聴くのが一番。

ということは、エロル・ガーナーは、我々、ジャズ者の世界では「上級者向け」のピアニストになる。モダン・ジャズ以前の、モダン・ジャズの要素となり礎となったピアノ、ということを理解するには、モダン・ジャズのピアノを理解することが大前提であり、モダン・ジャズ・ピアノの要素を理解する必要がある。

いやはや、エロル・ガーナーのピアノは意外と難物であった。私の経験から言えること。エロル・ガーナーのピアノには、ジャズ者初心者の時代に手を出してはいけない(笑)。ちなみに、エロル・ガーナーの『ミスティ』については、2011年6月16日のブログ(左をクリック)で語っています。よろしければどうぞ。

 
 

大震災から2年11ヶ月。決して忘れない。まだ2年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« スクエアで流麗な「スイング感」 | トップページ | 夏にも良いが冬にも良い盤です »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/55086525

この記事へのトラックバック一覧です: ガーナーはジャズ者上級者向け:

« スクエアで流麗な「スイング感」 | トップページ | 夏にも良いが冬にも良い盤です »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ