最近のトラックバック

« 我々はマイルスを欲している。 | トップページ | シンプルにしっとりと女性ボーカル »

2014年2月 5日 (水曜日)

サンタナのジャズへの傾倒度合い

サンタナ(SANTANA)をリアルタイムで体験するようになったアルバムは、この1974年リリースの『Borboletta(不死蝶)』(写真左)になる。青緑にキラキラ渋く光るジャケットは、駅前のレコード屋で、一時、高校の帰りに毎日眺めていた。

当時は何がなんやら良く判らない、途中、長々と展開される、スピリチュアルでエモーショナルなサックスの嘶きは、ちょっと取っ付き難かった。それでも、サンタナのギターは格好良かった。特に、インスト・ナンバーの凄さといったら無かったなあ。

しかし、ボーカル・ナンバーは「違和感」を感じた。後のフュージョン・ジャズの「ソフト&メロウ」な演奏を先取りした様な演奏は、インスト・ナンバーの硬派でスピリチュアルな展開とは、全く相反していて、どうにもこうにも、しっくりこなかった。

そう、この『不死蝶』というアルバムは、インスト・ナンバーの硬派でスピリチュアルな展開と、ボーカル・ナンバーの「ソフト&メロウ」な演奏が拮抗した、なんとも、硬派なのか軟派なのか、判別に苦労するアルバムなのである。

とにかくボーカル・ナンバーが「ソフト&メロウ」で、今の耳で聴けば、なかなか良く出来た、内容のある演奏なんだが、当時は、この「ソフト&メロウ」なボーカル・ナンバーは「退廃的」に感じた(笑)。この俗世間に迎合した様な「ソフト&メロウ」なボーカル・ナンバーはなんなんだ、と頭を抱えた高校時代。懐かしい(笑)。

逆に、インスト・ナンバーの硬派でスピリチュアルな展開は素晴らしいの一言。今の耳で聴くと、エモーショナルなサックスの響きは当時のフリー・ジャズのマナーを取り入れたものだし、パーカッションの導入は明らかにジャジー。この『不死蝶』というアルバムのインスト・ナンバーには、ジャジーでクロスオーバー・ジャズな雰囲気が満載である。

「Aspirations」のスピリチュアルでフリーなサックスのインプロビゼーションが格好良い。「Here And Now」から「Flor De Canela」のクロスオーバー・ジャズな展開は一級品。「Promise Of A Fisherman」のプログレッシブ・ロックな響きは堪らない。
 

Borboletta

 
よくよく聴けば、ボーカル・ナンバーでのパーカッションの響きは、もはやこれは「ロック」のパーカッションでは無い。これは「ジャズ」のパーカッションだ。後のワールド・ミュージック系のフュージョン・ジャズのパーカッションを先取りした様なリズムの洪水は心が揺さぶられる。

今の耳で聴けば、この『不死蝶』というアルバム全体に、クロスオーバー・ジャズ、フュージョン・ジャズという雰囲気が漂っている。サンタナってロック・バンドだから、ロックからアプローチとして解釈するなら、クロスオーバー・ロック、フュージョン・ロックな雰囲気が濃厚である。

それもそのはず、このアルバムには、リターン・トゥ・フォーエヴァーのスタンリー・クラークや、同バンドの元メンバーであるアイアート・モレイラ、フローラ・プリムがゲスト参加しているのだ。当時のサンタナのクロスオーバー・ジャズ、フュージョン・ジャズへの傾倒が思いっきり感じられる。

ロックが得意とした「トータル・コンセプト・アルバム」という観点から聴くと、インスト・ナンバーの硬派でスピリチュアルな展開と、ボーカル・ナンバーの「ソフト&メロウ」な演奏が拮抗していて、一貫性が損なわれてはいるが、このインスト・ナンバーとボーカル・ナンバーの拮抗が実にクロスオーバー・ジャズっぽい。

このアルバムは、エレクトリック・クロスオーバー・ロック(ジャズ)の傑作である。しかし、セールス的にはイマイチで、米国・英国共にチャートのトップ10に入らなかった(米国20位、英国18位)。

そうだろうな〜。このアルバムって、やっぱジャズでっせ(笑)。でも、僕は好きやなあ、このアルバム。

 
 

大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 我々はマイルスを欲している。 | トップページ | シンプルにしっとりと女性ボーカル »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/54876063

この記事へのトラックバック一覧です: サンタナのジャズへの傾倒度合い:

« 我々はマイルスを欲している。 | トップページ | シンプルにしっとりと女性ボーカル »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ