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2014年2月18日 (火曜日)

モントルーのマイルス・1988年

エレ・マイルスのライブボックス盤『The Complete Miles Davis at Montreux』(写真左)。CD13・14は, 1988年7月7日のモントルーのエレ・マイルスである。1986年から1年空けて1988年、1986年のメンバーから総入れ替えで、これまた新しいサウンドに変化。まだまだ進化する第二期エレ・マイルス・バンドである。

ちなみに、その総入れ替えのパーソネルは、Miles Davis (tp, syn), Kenny Garrett (ss, as, fl), Adam Holzman, Robert Irving (syn), Joe "Foley" McCreary (b), Benny Rietveld (b), Ricky Wellman (ds), Marilyn Mazur (per)。 自ら含めて、シンセサイザーの大々的な導入が、その新しいサウンドの秘密。

リズム&ビートが軽快になった。しっかりとボトムは押さえていて、オフビートの重量感は維持しているが、音の響きとしては軽快になった。そして、疾走感が加わっている。1970年代の第一期エレ・マイルス・バンドの超弩級の重戦車の様な超重量級のファンキー・ビートからは想像出来ない、軽快で乾いたファンキー・ビートである。

加えて、ファンクネスの度合いが高くなった。が、リズム&ビートが軽快になった分、その濃くなったファンクネスはとてもポップに聴こえる。軽快なR&Bを聴いている様な、爽快感と疾走感。ヘビー級ではない、ミドル級のボクサーの軽快なフットワークの様なファンクネス。

そこに、シンセサイザーが中心となったユニゾン&ハーモニー、そしてソロ・パフォーマンスが重なる。そう、ちょうどマイルスの傑作スタジオ録音盤『Tutu』の音である。それまでのエレ・マイルス・バンドは、ギターが全面に押し出されてきたが、ここでシンセサイザーが台頭してきた。
 

Miles_montreux_1988

 
しかも、このシンセサイザーの使い方、ソロ・パフォーマンスが半端じゃない。それまでに聴いたことの無い、かなり個性的なユニゾン&ハーモニー、そしてソロ・パフォーマンスなのだ。エレ・マイルスならではと言って良い。こんなシンセサイザーの音は、他のジャズ・バンドでは絶対に出せない、今でも聴くことは出来ない。

もはや、第二期エレ・マイルス・バンドは完成の域に達している。マイルスのイメージ通りの音が出ているのではないか。マイルスもそんな完成度の高いバンドをバックに、実に気持ちよさそうにトランペットを吹いている。マイルス自身も好調そうで、速いフレーズやハイノートなど、結構、難なく吹き上げている。この年のモントルーのマイルスは充実の極み。

マイルス自らが力を入れてニュー・スタンダード化した、シンディ・ローパーの「Time After Time」や、マイケル・ジャクソンの「Human Nature」などはもう自家薬籠中のものとなっている。アレンジも秀逸。印象的なバラード・ナンバーにマイルスのトランペットが映える。この年のこのニュー・スタンダードな2曲の演奏は大変出来が良い。

この1988年のモントルーのマイルスも聴きものである。CD2枚分、あっという間に聴き切ってしまう。ほぼ完成の域に達した第二期エレ・マイルス・バンド。マイルスを始めとして、メンバーが皆、楽しそうに演奏している雰囲気がダイレクトに伝わって来るライブ音源です。

 
 

大震災から2年11ヶ月。決して忘れない。まだ2年11ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

松和のマスター様
こんばんは

それにしてもこのボックスCDに対峙するには
根気と体力が必要ですね。

仰るとおり、シンセサイザーの使い方が独特で
はじめはやたらと隙間のある弾き方だなぁと思っていました。
あのふわふわした感じが魅力の要なのでしょう。

こんばんは、GAOHEWGIIさん。松和のマスターです。
 
はい、その通りです。このボックス盤、聴き通すのは結構大変です(笑)。
でも、聴き応え十分で、マイルス者にとっては、根気と体力に見合った
見返りは十分にあります。が、やっぱり大変です。
 
このボックス盤は、第二期エレ・マイルス・バンドの進化と成熟を、
年を追って感じることが出来る優れものです。今の耳にも十分に通用
するエレ・マイルス・バンドの先進性には頭が下がるばかりです。
 

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