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2014年2月 2日 (日曜日)

モントルーのマイルス・1985年

このところ、朝のスタートアルバムは、エレ・マイルスのライブボックス盤『The Complete Miles Davis at Montreux』(写真左)。先週は、CD6からCD10までの、Jul 14, 1985年7月14日のモントルーのエレ・マイルスである。

1985年のエレ・マイルスのパーソネルは、Miles Davis (tpt, synth); Bob Berg (ss, ts); John Scofield (g); Robert Irving III (synth); Darryl Jones (el-b); Vincent Wilburn, Jr. (ds); Steve Thornton (perc)。

この1985年エレ・マイルス・バンドのパーソネルを1984年のものと比べてみると、ドラムだけが交代している。長年、エレ・マイルス・バンドの中で苦楽を共にしてきたアル・フォスターからヴィンセント・ウィルバーンに交代。1980年代のリズム&ビートのトレンドを意識した、戦略的なドラマーの交代である。

しかし、ドラマーだけが交代するだけで音が変わるのか。これが変わるのですね。劇的に変化しています。アル・フォスター在籍時は「重量感と疾走感溢れ、濃いファンクネス漂う」リズム&ビートだったんですが、ヴィンセント・ウィルバーンに代わっただけで、「軽快でしなやかで硬質、乾いたファンクネスが爽やかな」リズム&ビートに早変わり。

この変化の劇的さが「マイルス・マジック」なんですよね。マイルスのプロデュース力の凄さが判ります。1980年代のちょっと打ち込み風のデジタルチックでメリハリ感の強いリズム&ビートを取り入れるべく、マイルスが英断したドラマーの交代。確かに、アル・フォスターのリズム&ビートは、1970年代のエレ・マイルスのリズム&ビートではあるが、確かに、1980年代をリードするものではない様な気がする。

加えて、リズム&ビートについては多彩になった。1970年代から1984年までは、エレ・マイルス独特の「重量感と疾走感溢れ、濃いファンクネス漂う」リズム&ビート一辺倒だったんですが、この1985年のリズム&ビートは多彩。彩りが豊かなリズム&ビートに変化したとでも表現したら良いでしょうか。
 

Miles_montreux_1985

 
テクノ・ビート風なものやユーロ・ビート風なもの、そして、レゲエまで、1980年代に流行したリズム&ビートの要素をしっかりと取り入れ、第二期エレ・マイルスのリズム&ビートが確立している。リズム&ビートが多彩になった分、聴いていて楽しい演奏内容となった。親しみ易くなったエレ・マイルスである。

併せて、ジョンスコのエレギもロック色の強い演奏になっています。リズム&ビートが、1980年代風の「軽快でしなやかで硬質、乾いたファンクネスが爽やかな」リズム&ビートになった分、バンド全体の重量感と疾走感はエレギが担っている。

演奏全体の内容は、非常に優れたものに仕上がっています。1985年のエレ・マイルスのメンバーは、マイルスの意向、マイルスの目指す音、マイルスの好み、等々を十分に理解し、それを高い演奏テクニックをもって、精一杯表現しようとしています。

1970年代のエレ・マイルス・バンドのメンバーの、本当にマイルスを理解しマイルスの目指す音になっているのかどうか、という不安と恐れを底に漂わせつつ、必死になって高テンションで演奏していた頃とは違う次元の演奏になっています。恐らく、1985年のバンド・メンバーは、エレ・マイルスの基本を理解していたんでしょうね。

1985年のエレ・マイルスは、第二期エレ・マイルス・バンドとしての音をほぼ確立していて、聴いていて安定感のある、聴き応えのある演奏内容になっています。このエレ・マイルスのライブボックス盤『The Complete Miles Davis at Montreux』では、CD6からCD10までのCD4枚のボリュームですが飽きが来ません。当時のエレ・マイルスの充実ぶりが良く判ります。

 
 

大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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