気の向くままのワイルドさが魅力
長年、サザン・ロックは、何となくハード・ロックに近いジャンルじゃないかと思ってはいるのだが、なんだかちょっと雰囲気が違うなあ、とも感じている。
ハード・ロックは、ソリッドなハードさが身上。サザン・ロックのハードさは、適度にルーズで、リラックスしていながらもワイルドな感じ。ハードロックの「リフやフレーズなどが計算されたハードさ」とはちょっと違って、なんか、サザン・ロックは「気の向くままのワイルドさ」が身上。
という感覚で言うと、サザン・ロックの「気の向くままのワイルドさ」の方が、人間臭くて生活臭くて、自分にとって、そこが今でも大好きなジャンルである所以なんだろうなあ、と漠然と思っている。
「気の向くままのワイルドさ」って、サザン・ロックの雄「オールマンズ」にも感じたが、今回、ご紹介している「レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)」もサザン・ロックを代表する、いかにもサザン・ロックらしいバンドなのだ。その「気の向くままのワイルドさ」を程良く感じさせてくれるアルバムが、セカンド盤の『Second Helping』(写真左)。
出だしの曲。彼らのヒット曲の一つ「Sweet Home Alabama(スイート・ホーム・アラバマ)」。単純な故郷賛歌なんだが、本当のところは、ニール・ヤングの「サザン・マン」という曲で米国南部を批判されて、そのアンチテーゼ的意味合いで、この「スイート・ホーム・アラバマ」が出来たとのこと。出てくる音は、やっぱり「ワイルドでルーズでリラックス」(言い換えるとレイドバック)。
このバンド、トリプル・ギターとダブル・ドラムが売りというとんでもない構成のバンドで、それを生かした音の分厚さが特徴。でもそれが全く重苦しくなく、米国南部の大らかな空を感じさせる様な、リラックスしたルーズな重厚さで、聞き手をぐいぐい引っ張っていく。
ルーズな割に、決めるところはきっちり決めて、かなり、格好が良いのだ。「本当の男達のバンド」っていう感じです。全編、サザンロックの魅力満載。元気の無い時、元気の欲しい時にピッタリのダイナミックでワイルドな内容です。
『Second Helping』。このレーナード・スキナードの代表的名盤を聴けば、彼らが、ブリティッシュ・ロックや他のアメリカン・ロックに引けを取らない、いかに素晴らしい演奏を繰り広げていたかがお判りいただけるだろう。印象的なリフ、印象的なフレーズ。ギター・ロックの美味しいところが満載のセカンド盤である。彼らの出世作で、オススメの「ロックなアルバム」です。
しかし、このレーナード・スキナード、6枚のアルバム(ベスト盤を含めると7枚)を残し、1977年10月20日、ツアーの移動中、自家用機の墜落事故により、ボーカルのロニー・ヴァン・ザントとギタリストのスティーヴ・ゲインズを失う悲劇に見舞われる。
特に、オリジナル・メンバーで、ボーカルを担当していたロニー・ヴァン・ザントという「バンドの支柱」を失ったレーナード・スキナードは、1970年代、2度と甦ることは無かった。オールマンズといい、このレーナード・スキナードといい、サザン・ロックの優れたバンドには、なぜか悲劇がつきまとうのだった。
大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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