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2014年1月28日 (火曜日)

クロスオーバー・ロックな音世界

最近、Santana(サンタナ)が気に入っている。今を去ること40年前。高校時代には、このサンタナがどうにも苦手だった。サンタナのラテン・ロックの俗っぽさがどうにもこうにも馴染まなかった。

サンタナのインスト中心の曲は大好きなんですが、そこに、ラテン・ロックの思いっきり俗っぽい曲が入ってくると、どうしてもズッコける。なんか聴いていて、気恥ずかしさが全面に出てくるんですよね。こっぱずかしい、というか、気恥ずかしいというか(笑)。

しかし、ジャズを聴くようになって、ラテン・ジャズなんかも「ええなあ」と感じるようになって、40歳を超える頃には、サンタナの俗っぽいラテン・ロックも気にならないようになった。そうすれば「こっちのもの」である。

さて、『Caravanserai(キャラバンサライ)』で、砂漠の世界を題材に、スピリチュアルでプログレッシブな、スケールの大きい壮大なロック絵巻を展開してみせたサンタナ。このアルバムは、40年前、高校時代にも「凄いなあ」と感じた。トータル・コンセプトに基づいたドラマチックかつプログレッシヴな展開を捉えて、「サンタナのプログレッシブ・ロック」として、素晴らしい内容だった。 

そして、続くのは、Santana『Welcome』(写真左)。1973年11月のリリース。僕はまだ中学生。このアルバムは未だリアルタイムでは体験していない。初めて聴いたのは高校時代の友人の家。何故か、サンタナとサイモン&ガーファンクルが好きな不思議な友人でした。
 

Santana_welcome

 
出だしのメロトロン中心の幻想的なフレーズに、「サンタナのプログレッシブ・ロック」の再来か、と思いっきり心ときめかせながら、聴き耳を立てたのだが、続くラテン・ロックなボーカル・チューンにどうしても馴染めず、このアルバムについては棒を折った。

が、今の耳で聴くと、これが全く印象が違う。出だしのメロトロンは幻想的。そして、続くラテン・ロックなボーカル・チューンも、どこかクロスオーバーっぽくって、決して俗っぽいものでは無い。そう、このボーカル曲を聴いていて、「サンタナのプログレッシブ・ロック」は、砂漠から中南米の山や海の楽園に舞台を移して、スピリチュアルでプログレッシブな音世界を展開しているのだ。

この『Welcome』に詰まった、中南米の山や海の楽園をイメージする音世界。人が住む、人が生活を営む「楽園」をイメージする、人の存在を強く感じさせる「楽園」の音世界。眉間にしわを寄せて聴く様な、観念的で哲学的な「英国のプログレッシブ・ロック」とは正反対の、ポジティブでポリリズミックで、明るく爽やかなインプロビゼーションが、このアルバムに最大の特徴。

1973年の頃は、ジャズではクロスオーバー・ジャズの時代。サンタナは、この『Welcome』は、『Caravanserai』と同様に、ロックの側からジャズにアプローチした雰囲気が素晴らしい。このアルバムは、ロックの側からジャズにアプローチした「クロスオーバー・ロック」である。

 
 

大震災から2年10ヶ月。決して忘れない。まだ2年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

松和のマスター様 こんばんは
仰るとおりフュージョンに接近した作品で爽やかな聴き心地。
南米っぽさもそうですが、詠唱のようなコーラスが宗教っぽくて印象的です。
年をとると印象が変わるアルバムってありますよね。

こんばんは、GAOHEWGIIさん。松和のマスターです。
 
そうですね。歳をとると印象が変わるアルバムってありますね。
僕にとっては、このサンタナが最右翼。
今では楽しんで聴いていますが、若かりし頃は、ほんと、あの
俗っぽいラテン・ロックが、全然駄目でしたね〜。
ジャズのお陰で、なんとか俗っぽいラテン・ロックに免疫が
出来て、なんとか聴ける様になりました。まっ、ようは
歳はとってみるもんや、という事ですね(笑)。

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