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2013年12月14日 (土曜日)

ポールのライブ盤の最高傑作

今年の11月、ポール・マッカートニーが来日した。「PAUL McCARTNEY OUT THERE JAPAN TOUR」と銘打たれた今回の来日公演は、ポールがソロになって4回目の来日公演であった。

6月18日に71歳の誕生日を迎えたポールではあるが、各地でなかなか精力的なライブ公演を展開したようで、まだまだ意気盛ん、とりあえず、暫くは一安心なポールであったようだ。テレビやネットの動画を通じて、日本公演の一端に触れた印象では、さすがに声の調子は若い時のようにはいかないようだが、随所に渡るプロフェッショナルな演奏はさすがである。

ポールは今までにライブ盤を何種類か出している。どれもが大変出来の良いもので、収録したその時代、その時代のポールが楽しめる。廃盤になって手に入らない盤もあるみたいだが、これらは常に入手出来る様にしておいて欲しいものだ。

さて、ポールのライブ盤で、今までで一番印象に残っている盤と言えば、やはり、Paul McCartney & Wings『Wings Over America』(写真左)だろう。このライブ盤は、1976年12月にリリースされた、リリース当時、LP3枚組の途方も無いボリュームのライブ盤であった。

このライブ盤は、タイトルからも判る通り、1976年5月より『Wings Over America』と題された、大規模なアメリカ・ツアーを行った際のライブ演奏を収録したもの。このツアーは大成功を収めた歴史的なツアーで、26都市で31公演を行い、ツアー全体では約60万人を動員した。

このライブ盤は、このアメリカ公演のライブ音源の中から、ベスト・テイクをチョイス〜編集したもので、ビートルズ・ナンバー5曲を含めた全28曲が、LP3枚組のヴォリュームで収録された。レギュラーCDでは2枚組になったので、どうもしっくりこない(笑)。

日本でのみ限定発売された「紙ジャケCD」ではLP時代の3枚組が再現され、僕は、この紙ジャケCDをPCにリッピングして聴いていた。やはり、このライブ盤を聴くには、LP時代の3枚組構成の曲順、曲割りを踏襲したいのだ。
 

Wings_over_america

 
が、今年の5月に、このライブ盤がリマスター&リイシューされた。2枚組構成なのは残念だが、リマスターされた音は良好で、一般の方々にとっては買いだろう。このライブ盤を聴いたことが無い方々は、今回のこのリマスター&リイシュー盤を聴いて欲しい。

同時に、限定のボックス盤(写真右)も登場し、こちらは、LP時代の3枚組が再現されており、ボートラとして、サンフランシスコのCow Palaceでレコーディングされた8曲を収録。同梱のDVD『Wings Over The World』が実に良い、というか、面白い。当時のポールの勢いやノリが良く判る。

さらに、リンダが撮影した写真によるフォト・ジャーナルや小冊子など、マニア垂涎の「おまけグッズ」がてんこ盛り。加えて、ハイレゾ音源(24bit/96kHz)の無料ダウンロード券がついており、ちょっと高価ではあるが、マニアの方はとっては、このボックス盤は買いである。

このボックス盤を手に入れて、ハイレゾ音源をダウンロードして以来、この『Wings Over America』は、ハイレゾ音源でのPCオーディオ環境でのアルバム鑑賞に変わった。これがまあ、24bit/96kHzの素晴らしい音なのだ。

ポールのベースの音がクッキリ、そのラインまで良く聴きとることが出来て、1970年代のライブ音源でありながら、楽器毎の分離が良く、音の拡がりが良く出て、その会場でのライブ感を感じることが出来る。これはCDの環境では体感できにくかったことだ。ハイレゾ音源、恐るべしである(笑)。

この『Wings Over America』でのポールの声の若々しいこと。このライブ盤でのポールのボーカルは絶好調で、張りがあって、コクがあって、とにかく若い。これがポールのボーカルの凄さであり、素晴らしいところである。

ちなみに、この『Wings Over America』は、1976年リリース当時から、この2013年にリマスター&リイシュー盤が出るまで、邦題は『ウイングス U.S.A. ライヴ !!』であったが(僕達はこちらの方が親近感があるが)、今回、邦題も『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』に変更、統一された。

 
 

大震災から2年9ヶ月。決して忘れない。まだ2年9ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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