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2013年12月28日 (土曜日)

マイルス・デイヴィス復活の狼煙

マイルス・デイヴィスのアルバムの聴き直しの再開。いよいよ、1981年の引退状態からの復活以降、マイルス最終章のアルバムの聴き直しである。

1975年に音楽活動を休止。引退状態に入ってしまったマイルス・デイヴィス。アルバムとしては、あの1975年2月の大阪公演を捉えたライブ名盤『アガパン』以来、新しいアルバムはリリースされなくなった。

ちょうど僕がジャズを聴き始めた1978年は、マイルス引退状態の真っ只中。ジャズ雑誌などでのマイルスの情報は芳しくないものばかりで、ほとんど完全引退状態だった。まあ、その頃は、マイルスの過去のアルバムを追っかけるのが大変で、実は引退状態は「ウエルカム」だった(笑)。

しかし、1980年に入って、少しずつ、マイルスに関して、復活するんでは、という明るい情報が入り始める。期待した。『アガパン』でマイルスに出会い、アコースティック・マイルスについても、プレスティッジのマラソン・セッション4部作を筆頭に、基本的なものは聴取済み。マイルスのアルバムを集めて聴き込むにつけ、その頃は、僕はもう既に「マイルス者」になっていた。

そして、1981年である。ジャズ雑誌を読みこなすのも手慣れて来た、ジャズ者初心者4年目。そのジャズ雑誌に「マイルス復活」と大きく報じられた。1981年6月、ボストンのジャズクラブ「キックス」で復帰後初のライブを行い、1975年以来の沈黙から復活。さあ、後は新アルバムだけである。そして、その時は遂に来た。1981年7月のこと。

Miles Davis『The Man with the Horn』(写真左)が、そのマイルス復活の狼煙である。嬉しかった。早速購入、そして、LPをいそいそとターン・テーブルに載せて針を落とす。そして、出てくる「ちょっと妖しげな雰囲気」のベース音の良く効いたタイトな前奏。来るぞ来るぞ。
 

The_man_with_the_horn

 
そして、そしてである。マイルスのミュート・トランペットの「あの音」が、「ブップップッ」と静かに印象的に入ってくる。キタ〜、やはりマイルスって格好良いですね。1曲目の「Fat Time」の衝撃である(笑)。

そして、2曲目の「Back Seat Betty」。これが凄く格好良い。マイク・スターンのエレクトリック・ギターが前奏で爆発し、ぐわ〜んと盛り上がった後、渋くマイルスが「フルフルフル」とミュートで押さえて、そのコントラストがスリル満点の展開で、最後バシッと決めて終わる「その格好良さ」。痺れる。

3曲目の「Shout」のポップさも堪らない魅力。これって、マイルス流のフュージョン・ジャズやん。今の耳で聴いても古さを感じない、ポップなジャズ。5曲目のボーカル入りのタイトル曲「The Man with the Horn」もポップで良いなあ。ソフト&メロウを、マイルス流に表現する。思わず「参りました」と思ってしまう(笑)。

4曲目「Aida」、6曲目「Ursula」については、もう「降参」である。今の耳で聴いても、全く古さを感じさせない、今のジャズ・シーンの中においても、コンテンポラリー・ジャズの最先端に匹敵する、素晴らしいエレクトリック・マイルスの音世界である。この音世界は追従を許さない、孤高のエレ・マイルスの音世界がここにある。

マイルスの意図は明確で、エレクトリック・サウンドをアレンジ、サウンドの一部として使いこなしつつ、ダンス・ミュージック、ブラック・ミュージックのエッセンスをオープンに取り入れつつ、ジャズのベースとなるビートはしっかりと押さえて「コンテンポラリー・ジャズの最先端」のプロトタイプを明快に提示している。

素晴らしいアルバムである。この盤の凄さは「聴けば判る」。今でも、不思議と古さを感じない、コンテンポラリー・ジャズの最先端を垣間見させてくれる、マイルスの最終章のオープニングを飾る名盤である。

 
 

大震災から2年9ヶ月。決して忘れない。まだ2年9ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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