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2013年12月12日 (木曜日)

男前な新伝承派モーダル・ピアノ

ジェリ・アレン(Geri Allen)は、1980年代半ば頃から頭角を現してきた女性ピアニスト。米国はミシガン州の出身。デビュー当時から、コンテンポラリーなジャズを中心に活躍する、多彩かつ個性的な女性ピアニスト。昨日ご紹介した、Geri Allen『Segments』は、このジェリの「多彩かつ個性的な」部分が、十分に引き出された「優れ盤」であった。

このジェリの「多彩かつ個性的な」部分が最大限に引き出されるのは、思いっきり柔軟性の高い、硬軟自在なリズム&ビートを供給するベースのヘイデンとドラムのモチアンがあってのこと。この素晴らしくフレキシブルなリズム・セクションがあってこそ、ジェリの「多彩かつ個性的な」部分が最大限に引き出される。

それを逆説的に証明するようなアルバムがこれ。Geri Allen『Twenty One』(写真左)。1994年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Geri Allen (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。マイルスの1960年代黄金のクインテットのリズム・セクションの一端を担った二人の参加が「ミソ」。

ベースのロン、ドラムのトニー、両者共に「新主流派」に属する。限りなく自由度の高い、モーダルなハードバップが身上。フリーから、コッテコテのハードバップまで、柔軟に対応するが、その対応度合いはそんなに高くない。ピアニストに合わすというよりは、ピアニストに合わせさせるタイプのリズム・セクションである。

しかし、限りなく自由度の高い、モーダルなハードバップのバッキングをやらせたら、この二人の右に出る者はいない。さすが、マイルスが見出し、マイルスが愛したリズム・セクションである。しかし、ベースのヘイデンとドラムのモチアンに比べれば、その自由度は高くない。
 

Twenty_one

 
そんなベースのロン、ドラムのトニーと組んだジェリ・アレン。どんなパフォーマンスを聴かせてくれるんだろう、と思って、この『Twenty One』を聴けば、あらまあ、やっぱり、徹頭徹尾、コンテンポラリーなビ・バップ・ピアノな展開に終始する。「多彩かつ個性的な」部分を封印し、「新伝承派」としての、コンテンポラリーなモード・ジャズ・ピアノを全面に繰り出す。

このピアノ・トリオ盤は、ジェリ・アレンのピアノの個性は「新伝承派」のコンテンポラリーなモード・ジャズに端を発していることが良く判る。何の揺るぎも無い、確信を持ったインプロビゼーション。自信が漲る「男前」なフレーズ。共演するバックのリズム・セクションを活かし、惹き立たせる様なジェリのピアノのフレーズは実にテクニックが豊かで、実に懐が深い。

ベースのロン、ドラムのトニーとの相性という面では、やはりハービー・ハンコックのピアノが最高だろう。そういう感覚を頭の片隅に起きつつ、この『Twenty One』での共演を聴いていて面白いのは、ジェリのピアノは、ハンコックのピアノよりも、ビ・バップな度合いが強いということ。いわゆる「男前」でコンテンポラリーな「ビ・バップ・ピアノ」である。

この『Twenty One』でのジェリ・アレンは、正統な「新伝承派モード・ピアニスト」である。そして、そのテンション溢れる、確信を持ったピアノは、実に「男前」である。

 
 

大震災から2年9ヶ月。決して忘れない。まだ2年9ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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