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2013年12月11日 (水曜日)

多彩かつ個性的な女性ピアニスト

やはり、僕にとっての一番のジャズは「ピアノ・トリオ」である。幼稚園から中学一年まで、約8年間、クラシック・ピアノを習って、今でもちょっとばかりピアノが弾ける。よって、聴くばかりでなく、弾く立場に立って、様々なピアノ・トリオのパフォーマンスを聴くことができるところが有り難い。

この十年ほど、1980年代から90年代に第一線にデビューしてきたピアニストに興味がある。いわゆる純ジャズ復古の勢いと共に第一線にデビューしてきた「新伝承派」とか「M-BASE派」と呼ばれる一派に属するピアニストに惹かれる。

最近、計画的に、ジェリ・アレン(Geri Allen)を聴いている。1980年代半ば頃から頭角を現してきた女性ピアニスト。米国はミシガン州の出身。デビュー当時から、コンテンポラリーなジャズを中心に活躍する、多彩かつ個性的な女性ピアニストです。

この「多彩かつ個性的」な部分を十分に感じることの出来るアルバムがこれ。Geri Allen『Segments』(写真左)。1989年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Geri Allen (p), Charlie Haden (b), Paul Motian (ds) 。「多彩かつ個性的」なピアノをやるには、ベースのヘイデンとドラムのモチアンは格好のパートナー。

冒頭の「Law Years」から聴き出すと、まずは、新伝承派のお得意の「コンテンポラリーなビ・バップ」なジャズ・ピアノから始まる。続いて、独特のタイム感覚を持った、端正で協調和音なセロニアス・モンク風な展開が面白い。展開はモンク風なんだけど、タッチは、ちょっと弱っちいタッチの、しかし歯切れの良いマッコイ・タイナーって感じ。
 

Segments

 
4曲目「Cabala / Drum Music」になると、アブストラクトでフリーなピアノの展開になる。そのフリーキーなタッチは、セシル・テイラーの影響がバッチリと感じられる。アブストラクトではありながら、フレーズは意外と端正で協調和音風なところが、ジェリの面白いところ。

5曲目の「Home」になると、ちょっとリリカルな展開になるが、歯切れの良いタッチと少しクラシカルな響きなところは、ビル・エバンス風とかハービー・ハンコック風というよりは、チック・コリア風と言うべきだろう。今の耳で聴き直すと、これって、やっぱりチックだよな。

そんな「多彩かつ個性的」なジェリ・アレンであること、すなわち、バックでリズム&ビートを供給するベースのヘイデンとドラムのモチアンがあってのこと。このアルバムでのベースのヘイデンとドラムのモチアンのリズム・セクションは、思いっきり柔軟性の高い、硬軟自在なもの。素晴らしくフレキシブルなリズム・セクションである。

バックの優れたリズム・セクションのお陰で、純ジャズな「新伝承派」のジェリがジェリらしく振る舞った、なかなか滋味溢れるアルバムです。1980年代から90年代の「新伝承派」な響きが、懐かしくもあり、頼もしくもあり、です。

 
 

大震災から2年8ヶ月。決して忘れない。まだ2年8ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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