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2013年12月25日 (水曜日)

フェンダー・ローズを愛でる・9

今年は、1980年代初頭から1980年代全般にかけて活躍した「日本のフュージョン・ジャズ」を幾つかフォローした。ソフト&メロウなフュージョン・ジャズから入って、デジタル録音に切り替わった音質的にチープな時代。そして、1980年代の日本は「バブルの時代」。

そんな時代のフュージョン・ジャズである。コマーシャルでお洒落で耳当たりの良いエレクトリックなフュージョン・ジャズが隆盛を極め、どうしても、そんなペラッペラなトレンディーな音楽には触手が伸びなかった。完全に無視である。しかし、いろいろと調べてみると、そうでは無い、充実した内容の、意外と硬派なフュージョン・ジャズが幾つかあることが判った。

例えば、この今田勝『Blue Marine』(写真左)。1982年のリリース。邦題は『誘われてシーサイド』。この邦題がいけない(笑)。完全に「バブリー」な邦題。1982年当時、この邦題からは、お洒落で耳当たりの良いペラッペラなトレンディーな音楽しか、聴こえてこなかった(笑)。そして、このジャケットデザインである。当時は完全に「引いた」。

しかし、今年の5月から「フェンダー・ローズを愛でる」と題して、幾枚かフェンダー・ローズの音色芳しいフュージョン盤をご紹介してきたんだが、そんな中で、意外とこのキーボーティストのフェンダー・ローズもなかなかのもんやで、と教えて貰ったのが「今田勝」。しかも、そんな今田勝のフェンダー・ローズの音色芳しい盤のひとつに『誘われてシーサイド』があるではないか(笑)。

ということで、この『Blue Marine』を入手。レコード屋で見て、邦題見て引いて、完全無視して以来、31年目に、ついにこの『誘われてシーサイド』を手に入れた。そして、一気に聴き通して、これはビックリ驚いた。なんと内容のあるフュージョン・ジャズであることか。これが、1982年という時代に、日本人がリーダーで作ったアルバムなのか。実に良い内容にビックリ。

改めて、今田勝はアコピとフェンダー・ローズの使い手である。アコピの響きが美しく、フェンダー・ローズの小粋な弾き方も渋い。冒頭のタイトル曲「Blue Marine」とラストの「Smile For You」でのフェンダー・ローズが実に渋い。
 

Blue_marine

 
ここでのフェンダー・ローズは、音的に「硬質」である。フェンダー・ローズの音色は、1970年前半の初期には太くてソフトでマイルドな音が特徴で、1970年代後半は金属的なアタックを強調した透明感のある音が特徴となるんだが、この『誘われてシーサイド』でのフェンダー・ローズは、1970年代後半の金属的なアタックを強調した透明感のある「硬質な音」である。

そして、このパーソネルを確認して欲しい。今田勝 (p,key・写真右の真ん中), Steve Khan (g), Anthony Jackson (b), Steve Jordan (ds), Manolo Badren (per), Grover Wsshington Jr. (sax・写真右の右),  Tom Browne (tp写真右の左)。ソフト&メロウなフュージョン・ジャズを代表するミュージシャンが大集合である。

ラテン・チックなアレンジや、サンバなアレンジがあって、このアルバムのアレンジは、トロピカルで爽やかな夏の海の雰囲気なんだが、グローヴァー・ワシントン・ジュニアのアルトとソプラノが入ってくると、雰囲気は一気にソフト&メロウでジャジーな雰囲気に包まれる。ムーディーで黄昏チックな秋から冬の雰囲気にガラッと変わる。グローヴァー・ワシントン・ジュニア恐るべし、である(笑)。

スティーブ・カーンのギターも良い。弾きまくる寸前で自重して、グループ・サウンドのグルーブに貢献するところなんざあ、大人のフュージョン・ギターですよね。紡ぎ出すフレーズも格好良く、実に鯔背なフュージョン・エレギです。アンソニー・ジャクソンのベースも良い、スティーヴ・ジョーダンのドラミングも小粋。リズム・セクションが絶好調。

今田勝のアコピとフェンダー・ローズのプレイと音色を愛でつつ、バックのメンバーの演奏を十分に堪能する。1980年代らしからぬ、良質なフュージョン・ジャズが、この趣味の悪い邦題のアルバムに詰まっている。しかし、やっぱりこの邦題は無いよな(笑)。やっぱ、絶対に「引く」。せめて『ブルー・マリーン』にして欲しかった。

 
 

大震災から2年9ヶ月。決して忘れない。まだ2年9ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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