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2013年12月27日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・48

今年、32年ぶりに出会ったピアノ・トリオのアルバムがある。懐かしの Ronnie Mathews(ロニー・マシューズ)である。アルバム名は『Trip To The Orient』(写真左)。

ロニー・マシューズは、1935年12月、ニューヨーク州ブルックリン生まれのジャズ・ピアニスト。1968年、アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズにも参加している。調べてみるとかなりのキャリアを誇るピアニストながら、意外とその名前は知られていない。マイナーな存在と言って良い。

『Trip To The Orient』は、1975年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Ronnie Mathews (p), 鈴木 良雄 (b), Louis Hayes (ds)。日本のジャズ・レーベル、イースト・ウインドからのリリースで、日本でも入手し易くて、ジャズ者初心者の頃、大学時代、ジャズ喫茶で良く聴いた。

ロニー・マシューズのピアノは、ハードバップを基調とした正統なコード奏法と、1960年代、新主流派から派生したモーダルな奏法の両方に優れ、マッコイ・タイナーの様に、ピアノにおける「シーツ・オブ・サウンド」の如く、指がとても良く回り、バリバリに弾きまくる。

加えて、これは何故なのかは良く判らないのだが、コード奏法、モード奏法、シーツ・オブ・サウンドを駆使して、バリバリに弾きまくる割には、そのフレーズは耳に優しい。非常に聴き易いのだ。弾きまくる割に喧しくなく、耳に付かない。ジャズ・ピアノ入門に最適なピアノである。
 

Trip_to_the_orient

 
このアルバムには外れ曲が無い。このアルバムではマシューズは、アコピとエレピの両方を弾きこなしているが、アコピの名演としては「Summertime」が、華やかでグルーブ感豊かで、ジャジーなアコピが爽やか。エレピでは、やはりこれでしょう。ジャズ・ボッサな雰囲気満載の「Manha do carnaval」、邦題「カーニバルの朝」。エレピの音色が心地良い。

そして、冒頭のマシューズの十八番「Ichi-ban(一番)」。アップテンポの気持ちの良い演奏です。モーダルな演奏全開。ベース、ドラムも丁々発止と渡り合い、モーダルでシーツ・オブ・サウンドな、バリバリに弾きまくるピアノは、1970年代後半の雰囲気を思い出させてくれる。

1970年代後半に流行ったピアノ・トリオの雰囲気満載のアルバムですが、今の耳で聴いても古さは感じません。アドリブ・ラインが個性的で、意外と新しい響きなんだと思います。ピアノ、ドラム、ベース、渾然一体なった演奏は、今の耳にも実に馴染みます。

iTunes Store で見つけた時は嬉しかったなあ。32年前、ダビングしたカセットを紛失して以来の再会。ジャケットの雰囲気も良く、ピアノ・トリオの入門盤としてもお勧めの佳作です。

ジャズ喫茶で、こんな盤がスピーカーから流れてきたら、絶対にジャケット確かめに走りますね(笑)。

 
 

大震災から2年9ヶ月。決して忘れない。まだ2年9ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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