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2013年11月 9日 (土曜日)

オールマンズのライブ音源

サザン・ロックというジャンルがある。米国南部のアーシーなルーツ音楽を前面に押し出したロックのことで、1970年代から80年代にかけて隆盛を極めた。サザン・ロックの持つ泥臭さやブルースの要素をメインに押し立てたものは「スワンプ・ロック」と呼ばれる。

僕は、このサザン・ロックというジャンルが高校時代から大好きで、今でも時々、CD棚から引っ張り出してきて聴く位だ。そんなサザン・ロックのジャンルの中で、僕の大のお気に入りのバンドが「オールマン・ブラザース・バンド(The Allman Brothers Band)」。略称は「オールマンズ」。 

オールマンズとの出会いは、高校2年生の秋。映研のMu先輩から借り受けた『At Fillmore East(フィルモア・イースト・ライブ)』と、ひとんちゃんから借り受けた、当時の最新作『Win, Lose or Draw』の2枚のアルバムで、オールマンズにゾッコンになった。

オールマンズは、ブルースをベースとサザン・ロック・バンド。ツイン・リード・ギターとツイン・ドラムスというマニアックな編成がたまらない。C&Wの要素やゴスペルチックな要素も取り込み、ジャム・セッション的な長いインストも堪らない個性。それまでのロックバンドを凌駕するスケールの大きい演奏。

今でもゾッコンのオールマンズ。未だ現役なのは頼もしい限り。彼らのBoot音源は、商売にするのでなければ自由にTradeしてもかまわないと公認されている位で、様々な時代のオールマンズのライブ音源は沢山発掘され、イシューされています。

昨年の3月、リリースされたオールマンズのライブ音源がなかなかの内容で気に入っています。その音源とは、The Allman Brothers Band『A&R Studios: New York 26th August 1971』(写真左)。1971年8月26日にニューヨークのA&Rスタジオで行われたライヴ・セッションの模様を収録。音源はNYのラジオ局WPLJが放送したもの。
 

Allmans_ar_studios

 
これが、オールマンズのライブ音源としては、なかなかの内容で、初めて聴いた時、ビックリした。デュアン・オールマン(写真右)が左、デッキー・ベッツが右とセパレートされていて良く聴き分けることが出来、演奏全体の音質も上々。臨場感抜群なライブ音源です。

出だしの「Statesboro Blues」から「Trouble No More」は、バンドの演奏として、まだまだエンジン全開とはいかず、ちょっとたどたどしい、ダルな部分も見え隠れする演奏なので、この冒頭の2曲だけ聴くと、ちょっとガッカリしそうなのだが、3曲目の「Don't Keep Me Wonderin 」辺りから、エンジンが掛かり始め、目眩くワイルドでスケールの大きい演奏は、それはそれは絶品です。

かの有名な、1971年3月の『At Fillmore East(フィルモア・イースト・ライブ)』は、演奏全体のテンションと演奏の精度が異常に高く、それぞれの演奏に対しては、聴く側も息を詰めて真剣に聴かなければならない様な鬼気迫る雰囲気があって、全編を聴き通すには、それなりのテンションが必要でした。

このライヴ・セッションの音源は、適度にラフな部分もあり、演奏自体もリラックスしていて、そういう意味では『At Fillmore East』より聴き易いのが、このアルバムの良いところですね。

ちなみにこのライブ音源は、デュアン・オールマンが交通事故で亡くなる2か月前(同年10月死去)のもの。これだけエネルギッシュでバイタルなプレイを繰り広げているデュアンが、交通事故により、2ヶ月後に天国に召されるとは、運命とは時に残酷ですよね。

このライブ盤、なかなか良いです。オールマンズ者にとってはマストアイテム。「このCDを聴かずして、オールマンズを語るなかれ」です(笑)。

 
 

大震災から2年7ヶ月。決して忘れない。まだ2年7ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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