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2013年11月18日 (月曜日)

オスカー・ペティフォードの真髄

ジャズのアルバムの中には、なかなかに印象的な邦題を持ったアルバムが存在する。例えば、この『オスカー・ペティフォードの真髄』などは、今から36年前、僕がジャズを聴き始めた頃、ジャズ入門本のベースのコーナーに推薦盤の一枚として挙げられたアルバムの邦題で、当時からとても印象的で、今でも好きな邦題のひとつだ。

オスカー・ペティフォード(Oscar Pettiford)。1922年8月、米国オクラホマ州生まれ。音楽一家に生まれ、家族で米国中西部を中心に活躍。チャーリー・バネット、ロイ・エルドリッチ、ディジー・ガレスピーらの楽団を経て、1944年には自己のコンボを率いる。エリントン楽団のベーシストとして名を上げる。1950年代に入るとサイド・メンを含め多くの録音に関わり、1958年に渡欧。

「モダン・ベースの父」と言われる。ジャズ・ベースをソロ楽器として確立し革命をもたらしたジミー・ブラントンの後継者として、よりモダンなスタイルに発展させた、とされる。が、1960年9月、38歳の若さで、コペンハーゲンにて逝去してしまう。よって、リーダー作は少ない。

そんなオスカー・ペティフォード。「モダン・ベースの父」という形容を実感できるアルバム、とくれば、まずはこれだろう。『Oscar Pettiford(邦題:オスカー・ペティフォードの真髄)』(写真左)。邦題の『オスカー・ペティフォードの真髄』が、けだし名タイトルである。このアルバムの内容をズバリ言い当てる。

1955年8月の録音。オスカー・ペティフォード、33歳での録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Pettiford (b),  Donald Byrd (tp),  Ernie Royal (tp), Bob Brookmeyer (tb), Gigi Gryce (as,cl), Jerome Richardson (p), Osie Johnson (ds)。 セプテットの構成。
 

Oscar_pettiford

 
確かに、このアルバムでは、「モダン・ベースの父」と形容される、オスカー・ペティフォードのベースの真髄に触れることが出来る。オスカー・ペティフォードのベースは、ピッチがバッチリ合っていて、しなやかでタイト。しなやかな鋼の様な弾力のあるウォーキング・ベースの音は実に魅力的だ。

収録されたそれぞれの曲のアレンジも良好で、フロントの4管のユニゾン&ハーモニー、アドリブ共にバランスも良く、ペティフォードを中心とする、リズム・セクションのリズム&ビートも良好。このアルバムに収録されたどの曲も聴いていて楽しい。ああジャズやなあ、と心から感心する音が演奏がギッシリと詰まっている。

ベーシストのリーダー作って難しいですよね。ベーシストの何を全面に押し出して、アルバム・コンセプトをまとめるか。ピアノやテナーやペットなどの旋律楽器では、演奏する曲の旋律の表現や、そのコード進行を踏襲してのインプロビゼーションの展開のバリエーションなど、色々と表現の仕方を変えることが出来るが、リズム&ビートを中心に奏でるベースではそうはいかない。旋律楽器に比べて、明らかに演奏のバリエーションが狭い。

例えば、『オスカー・ペティフォードの真髄』。ベーシストとしてのテクニックもしっかりと全面に押し出されているし、ペティフォードのリーダー作ということで、ペティフォードのベース・ソロもふんだんに出てくる。「モダン・ベースの父」と言われるオスカー・ペティフォードを堪能するなら、確かにこの『オスカー・ペティフォードの真髄』、この一枚で十分な様な気もする。

逆に、この『オスカー・ペティフォードの真髄』、この一枚で、オスカー・ペティフォードが「モダン・ベースの父」と言われる所以をしっかりと理解することが出来る。この『オスカー・ペティフォードの真髄』は秀逸な一枚である。

収録された曲はどれもが素晴らしい内容ですが、やはりベタではありますが、どスタンダードの、3曲目「Stardust」と4曲目「Bohemia After Dark」が良いですね。難しいことを考えずに、モダン・ジャズの良さを堪能できます。

 
 

大震災から2年8ヶ月。決して忘れない。まだ2年8ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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