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2013年11月27日 (水曜日)

ハンコック、初のソロ作品です。

Herbie Hancock『Dedication』(写真左)。1974年7月、東京は厚生年金ホールでの録音。LPでいうA面は「アコースティック・ピアノ」、B面は「エレクトリック・ピアノ」でのソロ演奏。ハンコック、初のソロ作品である。1974年7月の来日時に日本側の企画で実現した。

このアルバムは、日本でのレコーディングで、日本盤オンリーのリリースであった。ハンコック、初のソロ作品なのに、である。そんなに平凡な内容なのか、と思って、ジャズ者初心者の頃、ズッと敬遠していた。所謂「聴かず嫌い」というヤツである。しかも、ジャケットは、思いっきり平凡。やっぱりあまり内容は良くなさそう、との気持ちを強くしてしまう。

このアルバムを初めて聴いたのは、1990年代になってからである。1997年だったかなあ。紙ジャケでリイシューされた時にゲットした。そして、聴いた。で、思っていたより平凡な内容では無い、ことを確認した。

アコースティック・サイドは「Maiden Voyage」「Dolphin Dance」の2曲。確かに、ハンコックの自作曲の中で、ソロ・ピアノとして映えそうなナンバーである。ちょっと素人っぽい、ベタな選曲ではあるけどね(笑)。

「Maiden Voyage」「Dolphin Dance」の2曲ともに、リリカルで耽美的な演奏である。間と音の伸びを活かしたピアノは、ビル・エバンス直系のものである。ここでのハンコックのピアノは、思いっきり「エバンス派」なピアノである。なんだか、当時の日本のハンコック・ファンに迎合したような、思いっきりリリカルで耽美的なピアノ。

いやはや、ハンコックはプロ中のプロやなあ、と感心してしまう。けど、思いっきり「安全運転」的なソロ・ピアノである。聴き手が予想した通り、希望した通りの音を出す。プロとしては素晴らしいテクニックではあるが、ピアノ演奏家としての個性、という点では全くもって、物足りなさが残る。良い内容なんですけどね。
 

Dedication

 
エレクトリック・サイドは「Nobu」「Cantaloupe Island」の2曲。「Nobu」は、日本人の友人の名を付けたハンコックの自作曲。シーケンサーを活用した循環リズムがかなりの古さを感じさせるが、エレ・ハンコックのキーボードの弾き方の個性が実に良く判るソロ演奏になっている。

当時のハンコックは、エレクトリック・キーボード類の音をそのままに、アコースティック・ピアノの様に弾いていた。このソロ・アルバムでもその傾向は変わらない。シンセはシンセ、フェンダー・ローズはフェンダー・ローズ、アープ・オデッセイはアープ・オデッセイの音、そのままに演奏を進めていく。

グループサウンズの中では、そのエレ・ハンコックのエレクトリック・キーボードの弾き方は、ちょっと物足りなさが残るが、ソロとして弾くには、これはこれで情緒があって良い感じがする。

まあ、どーにもこーにも、シーケンサーを活用した循環リズムがかなりの古さを感じさせてくれるのが「玉に瑕」で、頭の中で、このシーケンサーの音を消して、ハンコックのエレクトリック・キーボードの音だけを拾って聴けば、エレ・ハンコックのエレクトリック・キーボードの弾き方もまんざらでは無いことが十分に感じて取れる。

ハンコック者向けのアルバムでしょう。ハンコックのマニアにこそ、このアルバムの内容は響くというもの。逆に、ハンコック者にはマスト・アイテムかな。エレ・ハンコックのエレクトリック・キーボードの弾き方の個性を十分に堪能できる「優れもの」です。

 
 

大震災から2年8ヶ月。決して忘れない。まだ2年8ヶ月。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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