ホーズのトリオ盤を愛でる・2
ハンプトン・ホーズ(Hampton Hawes)のピアノ・トリオの3作目は「ワニのイラスト・ジャケット」で有名な俗名「ワニのアルバム」。Hampton Hawes『everybody likes Hampton Hawes vol.3 : the trio』(写真左)。
表ジャケットに書いてあるメッセージ。「皆が好きなハンプトン・ホーズ」。ワニもノリノリ、「ワニも気に入るハンプトン・ホーズ」。1956年1月25日のセッション。ちなみにパーソネルは、Hampton Hawes (p)、Red Mitchel (b)、Chuck Thompson (ds)。
このアルバムは、前2作に比べると、彼のピアノ・タッチの特徴である「オフビート感覚で、もったりとした粘りがあって、跳ねるような弾くようなピアノ」が醸し出す「ちょっと尖った雰囲気」が和らいで、その彼のタッチの特徴を残しつつ、柔らかで聴きやすいスタンダート中心のアルバムになっている。
とにかく、聴きやすいアルバムである。柔らかで和らいでいるが、ハンプトン・ホーズの特徴的なピアノ・タッチはしっかりと残っているので、ハンプトン・ホーズの入門盤としては、この「Vol.3」が良いのかもしれませんね。
「Vol.2」は3つのセッションの寄せ集めだったが、この「Vol.3」は、全て、1956年1月25日のセッションで統一されており、演奏のノリ、雰囲気に統一感があって、少人数のパブでのライブを聴いているようだ。
「Polka Dots and Moonbeams」のドライなロマンチシズム溢れるバラード演奏を聴くと、なぜか「バラード演奏に問題有り」と良く評される、彼の特徴的なタッチからくる「バラード演奏の特徴」が、意外となかなかのものであることが良く判る。
湿気のある感情的にウェットなバラードでは無い、カラッとして感情的にドライなバラード演奏は小粋で良い。なにも、ベトベト、ジメジメしたバラード演奏だけが全てでは無い。
ハンプトン・ホーズの代表的なトリオ作品のシリーズとして、Vol.1、Vol.2、Vol.3、と3作ありますが、ジャケットはこのVol.3がダントツ、選曲の良さではVol.2、トータル・バランスでVol.1、だと私は思っています。とにかく、この3枚は甲乙付けがたい内容ですので、手に入るものでしたら、どれでもいいので、是非聴いてみて下さい。
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