ホーズのトリオ盤を愛でる・1
ハンプトン・ホーズ(Hampton Hawes)は、「オフビート感覚で、もったりとした粘りがあって、跳ねるような、弾くようなピアノ」が特徴。
聴きなれれば、一聴して、ハンプトン・ホーズと判るほど、個性的なタッチです。僕にとっては、この個性的なタッチが「たまらない」。その疾走感溢れる演奏は、ビ・バップを彷彿させるもので、スピード感、ドライブ感たっぷり。
このHampton Hawes『This Is Hampton Hawes : Vol. 2, The Trio』(写真左)は、オリジナルの3曲目「Blues for Jacque」以外、ジャズ・スタンダードの有名どころがズラリと並ぶ、いわゆる「スタンダード集」。親しみやすいアルバム。
「スタンダード」というのは、様々なミュージシャンによって演奏されているので(だからスタンダード)、ピアノタッチなどの比較がしやすいし、ピアノ・タッチなどの特徴が明確に判る。
冒頭の「You and the Night and the Music(邦題:貴方と夜と音楽と)」などは、リズミックな曲調が特徴の曲で、ハンプトン・ホーズの特徴的なタッチにピッタリ合う。名演である。4曲目の「Yesterdays」も良い感じだ。中間テンポの曲に、ホーズの「オフビート感覚で、もったりとした粘り」が露わになる。実に個性的な響きに耳を奪われる。
6曲目の「'Round Midnight」を聴くと、ハンプトン・ホーズが普通の凡百なピアニストでないことが判る。作曲者のセロニアス・モンクのエキセントリックな面を強調しているような演奏で、この名曲を単に綺麗に演奏するのではない、ミステリアスさ漂う演奏が、ホーズがただ者でないことを証明する。
スタンダートがてんこ盛りのアルバムだからと言って、カクテル・ピアノっぽい、聴き易いアルバムだと思ったら大間違い。その大間違いが「ジャズを感じさせる名盤」としての勲章だったりするのだから、ジャズは面白い。
エリントンやパーカーの曲、自作のブルーズやロマンチックなスタンダードをどんどん弾きこなしていくハンプトン・ホーズは頼もしい。
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