秋の夜長にジャズ・ギターの音色
昨日、ジョージ・ベンソンのライブ盤について語った折、ジャズ・ギターの雄、今は亡きウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)の名前が出てきて、突如として、このウェス・モンゴメリーが聴きたくなった。
先週の3連休の台風来襲から台風一過を境に、一気に秋の気配が濃厚になりました。夜になると、いつの間にか虫の声が賑やかになりました。そんな秋の夜の空気には、ジャズ・ギターのシンプルな音色が映えます。秋の夜長にジャズ・ギターの音色が良く似合う。
『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』(写真左)。ウェス・モンゴメリーと言えば、まずはこのアルバムでしょう。1961年1月26〜27日の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Tommy Flanagan (p), Percy Heath (b), Albert Heath (ds)。ウェス・モンゴメリーの最高潮の時期のアルバム。
彼の個性である「親指によるピッキング」「オクターブ奏法」「コード奏法」が随所に散りばめられており、このアルバムは、ウェスのギター・テクニックの「ショーケース」のようなアルバムでもある。
ジャズ・ギター界を、オクターブ奏法という革命的な奏法で震撼とさせながらも、そのプレイの余りの革新性が故に、とうとう正統なフォロワーが一人も現れなかったという、孤高のギタリスト。ワン・アンド・オンリーな存在がここにある。
このアルバムに収録されているどの曲もが優れた演奏で、ただただ手放しで褒めるのみ。冒頭「Airegin」における、あまりに素晴らしく、口をあんぐり開けてしまいそうな、それはそれは素晴らしい超絶技巧のテクニック。
2曲目「D-Natural Blues」や5曲目「West Coast Blues」での、ご機嫌でノリの良い、黒光りするブルース・フィーリング。そして、3曲目の「Polka Dots and Moonbeams」でのオクターブ装法によるバラード演奏、ラストの「Gone With the Wind」での歌心溢れるフレーズ。
ジャズ愛好家の方々から「出来が良すぎて面白くない」という変な評価を時々いただくアルバムであるが、ジャズ初心者の方に、ジャズ・ギターの代表的な演奏を思いっきり感じてもらえる、素晴らしい名盤だと思います。
ジャケットのウェス・モンゴメリーの顔写真が、ちょっと「いかつい」ですが、ビビらずに手にとってみて下さい。
大震災から2年半。決して忘れない。まだ2年半。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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