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2013年9月20日 (金曜日)

邦題に惑わされてはいけない

フュージョン・ジャズのギタリストの中で、ジョージ・ベンソン(George Benson)は、長年の僕のお気に入りの一人。

1964年のデビュー。ウェス・モンゴメリー直系のギタープレイで頭角を現し、かのマイルス・デイビスのバンドにも呼ばれたことがある、デビュー当時は先進気鋭の純ジャズなギタリスト。

1970年代のフュージョン全盛時代には、ディスコ〜アダルト・コンテンポラリーと、常にその時代の流行を自身の作品に取り込み、加えて、魅力的な歌声で渋く聴かせるボーカルと併せて、どちらかと言えば、ジャズ・ギタリストというよりは、ブラック・コンテンポラリー・ミュージックのアーティストとして一世を風靡しました。

彼のデビューから40年以上に渡ってヒット作品を生み続けている、そのタレントは素晴らしいの一言。でも、彼の根っこは常にジャズで、いつの時代の演奏にもその底辺に流れるジャジーな雰囲気に惹き付けられます。

そんな彼のライブ盤の中での大のお気に入りが、George Benson『Weekend in L.A.』(写真左)。邦題は『メローなロスの週末』。ソフト&メロウが横行した時代の、実に趣味の悪い邦題である(笑)。

アルバム『Breezin'』によって、そのソフト&メロウな名演名唱でメジャーとなったベンソン。当時、米国ではフュージョン・ブームの真っ只中で、ベンソンなどは、相当「引っ張りだこ」な人気だった。その「引っ張りだこ」の人気の中、そのライブの様子をアルバム化したのが、この『Weekend in L.A.』。

さすが、ライブ盤だけあって、ベンソンは、結構、本職のギターを弾きまくっている。これが、この盤の最大の魅力。
 

Weakend_in_la

 
実は『Breezin'』以降の彼のスタジオ録音のアルバムは、ソフト&メロウ+AORな雰囲気を全面に押し出して、ジャジーな雰囲気は、どっかへ行ってしまったような内容が多くなり、ジャズ・ギタリストのベンソンを聴きたい向きには「どうだかな〜」っていう感じだった。

そこで、このライブ・アルバムである。1曲目の「Weekend in L.A.」 から、ベンソンはギターを弾きまくっている。これが、なかなかテクニックもあり、ファンキーで爽やかなタッチで、僕はこのアルバムでベンソンのギターを見直した。

彼の看板である「ソフト&メロウ+AORな歌唱」も随所に盛り込まれて、2曲目の「On Broadway」など、適度にファンキーで適度にソフトで、ベンソン以外にはなかなか出来ない、ベンソンの優れた個性がここにある。3曲目の「Down Here on the Ground」なんかは、もう、ジャズ〜フュージョンの域を越えて、これはもうAORやね。ジャジーな雰囲気のAORである。

10曲目には「We All Remember Wes」なる曲もあって、この曲を聴くと、クロスオーバー時代のウエス・ モンゴメリーを思い出す。この演奏を聴くと、ベンソンは、ウエス・モンゴメリーに多大な影響を受けたジャズ・ギタリストだということが良く判るし、ベンソンは、ウエスを敬愛していることがとても良く判る。なんとも微笑ましい演奏である。

このライブ盤は、ベンソンが「フュージョン+ソフト&メロウ+AOR」的な、上手く時代の流れに乗った、単なる「流行歌手」では無いことを証明している。

彼のギター・ソロは、単に、流行のフュージョン・ ミュージシャンに留まるものでは無い。ベンソンの演奏は、しっかりとジャズに根を下ろしていて、そのジャズの礎の上に「フュージョン+ソフト&メロウ+AOR」的な演奏を繰り広げているのだ。僕は、そういうベンソンがお気に入りである。

 
 

大震災から2年半。決して忘れない。まだ2年半。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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