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2013年9月 1日 (日曜日)

実にお洒落なハードバップです

ドラマーとベーシストのリーダー作、その数は多くは無い。ドラマーとベーシスト、どちらもジャズ演奏では、リズム&ビートを担当する「縁の下の力持ち」的存在。リーダーとして前面に出て、その存在をアピールするには、一工夫、いや、二工夫ほど必要になる。

まず、リーダーである当の本人が何をやりたいかが明確になっているか、若しくは、担当のプロデューサーが、リーダーのベーシストの何を表現したいかが明確になっていないと、良いセッション・アルバムにはなかなかならない。

そして、ドラムとベースは、旋律を展開するのが難しいリズム&ビート中心の楽器であるということ。ベースは旋律を奏でることは出来るが、低音中心の単音弾きになるので、基本的に「単調」。長時間、旋律中心のソロを続けると飽きが来てしまう危険性が高い。ベーシストのリーダー作が少ない所以である。

ここに、Leroy Vinnegar『Leroy Walks!』(写真左)というアルバムがある。曲によって、1957年7月15日と9月16日、そして、9月23日の録音に分かれるが、1957年の7〜9月の2ヶ月という短期間の録音なので、同一セッションと括っても問題は無いだろう。

ちなみに、パーソネルは、Gerald Wilson (tp), Teddy Edwards (ts), Victor Feldman (vib), Carl Perkins (p), Leroy Vinnegar (b), Tony Bazley (ds)。Contemporaryレーベルの作品なので、米国西海岸のジャズメン中心のセクステット編成となっている。
 

Leroy_vinnegar_walks

 
1957年の録音なので、ジャズ演奏のトレンドとしては、完璧ハードバップな内容である。それも、米国西海岸のジャズメン中心のハードバップなので、良くアレンジメントされ、ユニゾン&ハーモニーも心地良く、実にお洒落な、典型的な「米国西海岸ハードバップ」の演奏がギッシリ詰まっていて、聴いていてとても楽しい。

ここでのリーダーのベーシスト、ビネガーは、リーダーシップを発揮しつつ、このアルバムで何をやりたいかをハッキリさせている。つまりは「米国西海岸のハードバップをリラックスして楽しくやろう」がコンセプトだと想像出来る。本当に、どの曲も皆、実に楽しそうにハードバップをやっている。

ベーシストのビネガーがリーダーだ、ということは、通常のジャズ盤よりも、ベースの音量が少し高くミックスされていて、ベースの音が拾いやすいというところと、 収録曲毎に、短めのベースソロが必ず入るところで判る。この短めのベースソロが、実にお洒落で、ビネガーというベーシストが、テクニックに優れた、とても「良く歌う」ベーシストだということが良く判る。

特に、ビネガーはウォーキング・ベースに優れる。これは、このアルバムに収録された演奏の全てに反映されていて、なるほど、アルバムタイトルの「Walks」は、Walking Bass(ウォーキング・ベース)の「Walks」なのだということを理解する。

良質な米国西海岸のハードバップを感じることが出来て、なかなか良い内容のアルバムです。米国西海岸ジャズ独特の、程良くアレンジメントされた、実にお洒落なハードバップが、心地良く聴き易い、ちょっと小粋な内容が素敵なアルバムです。

 
 

大震災から2年5ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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