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2013年9月30日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・37

ジョージ・ケイブルス(George Cables)。1944年11月生まれ。今年で69歳になるベテラン・ピアニスト。アート・ブレイキーやソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードンなどのサイドメンを務める。僕は、復帰後のアート・ペッパーとの共演で、彼の名とプレイを知った。

彼のピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが特徴。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、シーツ・オブ・サウンドほど多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活かすことは無い。

マイルスとコルトレーンが創り上げたジャズのスタイルを、適度に聴き易く、適度にスローダウンした個性。しなやかな硬質さを持ったタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションは、聴いていて、実に端正であり、実に「雅」であり「粋」である。とにかく、聴いていて楽しい、「メインストリーム・ジャズ」をバッチリ感じさせてくれるピアノである。

そのケイブルスのピアノを感じるのに相応しいアルバムが、このGeorge Cables『Night and Day』(写真左)。1991年5月の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Cecil McBee (b), Billy Hart (ds)。セシル・マクビーのベース、ビリー・ハートのドラム。1991年当時、実に素晴らしい人選です。

そして、このアルバム、選曲が良い。この選曲を、まず、ピアノ・トリオで聴くことが出来るということが素晴らしく、加えて、ジョージ・ケイブルスのピアノで堪能出来るというとことが素晴らしい。その選曲と作曲者を全て以下に挙げておく。
 

George_cables_night_day

 
1. I thought about you [James Van Heusen / Johnny Mercer]
2. Night and day [Cole Porter]
3. Very early [Bill Evans]
4. I love you [Chuck Dukowski / Gordon Jenkins / Jerry Jeff Walker]
5. Three view of a secret [Jaco Pastorius]
6. Ebony moonbeams [George Cables]
7. Grear is here [Mickey Bass]
8. Doxy -- [Sonny Rollins]

1曲目の「I thought about you」や、2曲目の「Night and day」、5曲目の「I love you」などのスタンダード曲でのプレイが好調。ジョージ・ケイブルスのしなやかな硬質さを持ったタッチと適度に多弁なインプロビゼーションが、実に良い雰囲気を醸し出している。聴いていて惚れ惚れする。

そして、おおっこれは、と耳をそばだてるのは、5曲目の「Three view of a secret」。1970年代から80年代に活躍した伝説のエレベ奏者ジャコ・パストリアスの名曲中の名曲。ニュー・スタンダード曲。これが実に良い。
 
曲自体素晴らしいのだが、その名曲に負けずに、その名曲を更に惹き立たせるケイブルスのピアノ。マクビーのベース。ハートのドラム。この「Three view of a secret」のピアノ・トリオでの名演の一つの挙げられるべき、素晴らしい演奏。

ミュージシャンズ・チューンである、ビル・エバンスの作曲の「Very early」や、ソニー・ロリンズの「Doxy」も、なかなか考えられたアレンジと展開で、ピアノ・トリオの演奏としては白眉の出来である。

良いピアノ・トリオ盤です。極めてオーソドックスなプレイですが、そこは1991年の録音。1960年代から1970年代のハードバップ演奏とは、ちょっとアプローチの異なるアレンジで、アルバム全体の演奏として、そこはかとない、新しい響きを感じます。聴けば聴くほど味がでる、「スルメ」の様なピアノ・トリオ盤です。ジョージ・ケイブルスの代表盤としてもお勧めです。

 
 

大震災から2年半。決して忘れない。まだ2年半。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

私の中では、ジョージ・ケイブルスは、優れたピアニストと感じる以上に、優れた作曲家と絶対音感の持ち主という感が強いです。
私の好きなジャズメッセンジャーズの「ダーク・サイド、ライト・サイド」も彼の作曲ですよね。
絶対音感については、渡辺香津美が何かに書いていましたが、スプーンが落ちた時にケイブルスが「今の音はE♭だった」と言ったとか。
それが正確だったかどうかは判りませんが、私なら分からないのでそういうことさえ口にできません(^^ゞ
ケイブルスのリーダーアルバムでは、ラテン色の強い「CABLES' VISION」がお気に入りです。
ところで、私はアキュフューズのアンプにタンノイのスピーカー(といってもアメリカで製作されたタンノイ)を繋いで、ジャズも聴いている変わり者ですので、JBL等で聴かれている方とは、曲の受け取りイメージが少し違う事も多いのではと思っています。

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