最近のトラックバック

« アキコ・グレースのセカンド盤 | トップページ | こんなアルバムあったんや・26 »

2013年9月27日 (金曜日)

こんなアルバムあったんや・25

久し振りに「こんなアルバムあったんや」シリーズの25回目。めっきり秋らしくなってきました。秋は「音楽の秋」。今日明日と「ちょっと変わり種のジャズ」、弦楽四重奏を中心としたジャズのアルバムをご紹介しましょう。

バイオリンがメイン楽器のジャズは、海外ではステファン・グラッペリやジャン・リュック・ポンティらが現役で頑張っていますし、国内では、寺井尚子さんが頑張っています。バイオリンは、その特徴的な音色とエキゾチックな響きで、個性的なジャズを演出します。

では、クラシック界で弦楽でポピュラーな編成である弦楽四重奏の編成でのジャズはあるのか。それが「ある」のですよね。では、その弦楽四重奏中心のジャズアルバムをご紹介しましょう。

まずは、Cello Acoustics『Paris 1256』(写真左)。2002年10月のリリース。この「チェロ・アコースティックス」というグループは、ピアノ:1、チェロ:3、コントラバス:1という斬新な編成(正確には弦楽四重奏の編成では無い)で、 弦楽器ならではの濃密なグルーヴィー感溢れるジャズを実現する。

この弦楽器中心のジャズの音って、一言で言うと「心がなんとなく安らぐ新鮮なサウンド」、 いわゆる流行の「癒し系」である。

このグループの楽器構成は、アルバムを実際に聴いてみると判るのだが、弦楽器の中でも「良い音色」系のチェロ3台でアンサンブルを構成し、このチェロ3台で中音域の基盤がっちり安定させる。
 
その上をピアノが自在に旋律を奏でる。そして、低域はコントラバスに「重量感」をお任せして、弦楽器中心にして、ジャズ ・アンサンブルの要求に十分に応えることのできる演奏基盤を実現している。
 

Paris_1256

 
クラシックとジャズの両刀使い的な演奏家が、この変則的な編成で、室内楽的なジャズをやるのだから、演奏テクニック的には十分に満足いくものがある。とにかく上手い。このグループのベースは、ピチカート奏法を基本としたウォーキング・ベースのみならず、ジャズ出身のベーシストが、時に不得意とする「ボウィング」(弓で弾く奏法)も披露するが、音程は確かで美しい。

さて、演奏する曲は、自作とジャズ・スタンダードがほとんど半々の選曲。どの曲も、まずはジャズとクラシック両刀使いの3台のチェロが決め手で、クラシカルな、それでいてどこかエキゾチック、ほのかにエスニックな、チェロのアンサンブル。これがこのアルバムの全体の雰囲気を「バシッ」と決めている。

そして、ニールス・ラン・ドーキーの「ガラスのナイフ」の様なピアノ。チェロとの相性抜群の「スパッと切れるような奏法」を持つピアニスト。そして、ベーシストはジャズ演奏では珍しい、女性ベーシストが大胆にビートを刻む。高音域を主に受け持つピアノ、中音域を充実させるチェロ、低音域はもちろんコントラバスがガッチリ担当する。

やはり、この構成の面白さは「ジャズ・スタンダード曲」で最大限に発揮される。ジャズ・スタンダード曲では、 曲自体にジャズ特有のブルージーな雰囲気がほのかに漂い、チェロ3台の室内楽的な雰囲気とうまくブレンドして、実に高尚で優雅なジャズ演奏となるのだ。

特に、9曲目「Kelly Blue」。ファンキー・ジャズの代表的銘曲。ファンキーの音の雰囲気って、クラシックの音の雰囲気から、180度正反対の雰囲気を持つ曲調だと思うのですが、これが実に良い雰囲気。実に優雅で、高貴な香りのするジャズに仕上がっているのが、実に面白いです。

他の収録曲もアレンジがばっちり決まっていて、聴き甲斐のある演奏ばかりです。ニールス・ラン・ドーキーのピアノも好調で、弦楽器中心のジャズなんで、ちょっと「キワモノ」的な危険な雰囲気がするのですが、どうして、このアルバムはそんなことは全くありません。ちょっと変わり種のジャズとして十分に鑑賞に耐える優れものです。

CDでは廃盤状態で中古品を探すしか無いのですが、ダウンロードサイトからは入手可能です。コンテンポラリー・ジャズの「ひねりを効かせたアルバム」の一枚として、ご一聴をお勧めしてます。まさに「こんなアルバムあったんや」です(笑)。

 
 

大震災から2年半。決して忘れない。まだ2年半。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 
 

« アキコ・グレースのセカンド盤 | トップページ | こんなアルバムあったんや・26 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/53408169

この記事へのトラックバック一覧です: こんなアルバムあったんや・25:

« アキコ・グレースのセカンド盤 | トップページ | こんなアルバムあったんや・26 »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ