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2013年8月 9日 (金曜日)

最近気になる「エバンス派」

エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)は、イタリアのピアニスト。1949年生まれですから、今年でもう64歳になりますね。演奏のキャリアもけっこう長いはずですが、私が聴き始めたのは、比較的最近のこと。最近では、実に気になるジャズ・ピアニストの一人です。

最近、よく聴くエンリコのリーダー作は『Live at the Village Vanguard』(写真左)。2010年7月7〜8日、ニューヨークは、ビレッジ・バンガードでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Enrico Pieranunzi (p), Marc Johnson (b), Paul Motian (ds)。

ベースがマーク・ジョンソン、ドラムがポール・モチアンという超強力な布陣。安心して委ねることが出来る、職人中の職人のリズム・セクション。このライブ盤を聴けば、このリズム・セクションの凄さが判る。モチアンがこのライブ盤の後、鬼籍に入ったのは実に残念なことであった。

このライブ盤を聴けば良く判る。ピエラヌンツィは、現在のジャズ・シーンにおける、モダンでコンテンポラリーなエバンス派の代表格でしょう。耽美的にテクニカルに良く鳴る右手と、絶妙な間を持って右手の旋律を支える左手のブロックコード。

ピアノを弾くスタイルはビル・エバンスを踏襲しているが、右手と左手のバランスとハーモニー、右手の展開と間の取り方は、ピエラヌンツィの個性の塊。決して、ビル・エバンスをなぞっている訳では全く無い。
 
Enrico_pieranunzi_the_village_vangu
 
ピエラヌンツィの旋律の響きは「欧州的」。クラシックに根ざした、硬質で端正なユニゾン&ハーモニーが実に欧州的。耽美的ではあるが、決して、抒情的に流されない、端正で破綻の無い、キッチリかっちりしたインプロビゼーションがピエラヌンツィのピアノの一番の個性です。

サイドメンも負けてはいません。伸び伸びとした鋼の様なベースを展開するジョンソンが凄く魅力的です。さすが、ビル・エバンスの最後のベーシストです。エバンス派ピエラヌンツィとの相性は抜群です。柔軟なソロを展開するジョンソンは聴きものです。

そして、恐らく、このライブ・パフォーマンスが生涯最後のベスト・パフォーマンスだったであろう、ポール・モチアンのドラムが最高です。さすが、レギュラーなビル・エバンス・トリオ最初のドラマー。微妙な間を意識したモダンで粋なドラミングは、ポール・モチアンならではのもの。唯一無二なドラミングは聴きものです。

ネットのあちらこちらで語られているように、確かに録音はちょっとなあ、という感じですが、ピエラヌンツィ・トリオの演奏内容については申し分ありません。現代のモダンでコンテンポラリーなエバンス派の代表的なパフォーマンスです。エバンス派のパフォーマンスの進化をしっかりと感じさせてくれるピエラヌンツィ・トリオ。

ジャズ・ピアノ者とビル・エバンス者の方々にはマスト・アイテム。ジャケットもそこはかとなく洒落ていて合格。こんなライブ盤がある日突然リリースされるのですから、ジャズ界のニュースからは決して目が離せません。
 
 
 

大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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