僕にとっては「夏のアルバム」
昨日より、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、このお盆休みの時期の特集として、夏の季節にピッタリな「70年代Jポップ」のアルバムをご紹介しています。さて、今日は、1978年に遡ります。
1978年夏、テレビのコマーシャルのバックで、聴いたことはあるが、どう考えても、CMのタイアップ・ソングなどに手を染めそうも無い、硬派なロック歌手の歌声が流れてきた。資生堂のCMソングでしたね。そう、矢沢永吉の「時間よ止まれ」。当時、ヒットチャートの一位にもなった名曲です。
この曲は懐かしい想い出で一杯の名曲です。1978年と言えば、辛くてしんどかった浪人時代を経て、晴れて大学生となった年。当時、珍しかったコンビニでバイトをしながら聴いた、FMから流れてきた「時間よ止まれ」。そして、彼女と初めて1対1でデートしたのも、この「時間よ止まれ」がヒットしていた頃だったなあ。デートの場所は大阪万博の「民博」でした(笑)。
さて、その「時間よ止まれ」を収録した、矢沢永吉の初期の名盤が『ゴールドラッシュ』(写真左)。キャロルのイメージ、ギンギンなロックンローラーのイメージを良い意味で払拭した、1970年代、矢沢永吉のひとつのピークを捉えた名盤です。
落ち着いた、粋で洒落たミッド・テンポな曲を中心に、要所要所に絶品のバラードが配置されていて、とにかく、日本を代表するロック・ボーカリスト、矢沢永吉の歌声を心ゆくまで堪能出来る、素晴らしい展開になっています。地味という声も聞かれますが、バックの演奏が落ち着いている分、矢沢永吉の歌声が前面に浮き出てきて、これはアレンジの妙として、良い方向に作用したと思っています。
大ヒットした「時間よ止まれ」も良い出来ですが、絶品バラード「さめた肌」が素晴らしい出来です。「今日の雨」も良いなあ。ラストの「長い旅」は、聴く度にしみじみしてしまう、名曲中の名曲だと思います。というか、この『ゴールドラッシュ』に収録されている楽曲は全て良い出来です。
ちなみに、この『ゴールドラッシュ』には、あのYMOの坂本龍一と高橋幸宏が参加しています。なんと「時間よ止まれ」のキーボードは坂本龍一、ドラムは高橋幸宏だそうです。当時、この事実を知った時は、たまげましたね〜。「KISS ME PLEASE」のキーボードも坂本龍一。確かに、ちょっと違う。確かに良い意味で洒落てる。本当に、矢沢永吉って音楽に対して懐が深い。
矢沢永吉の1970年代のアルバムはいずれも「佳作揃い」ではあるが、この『ゴールドラッシュ』は、矢沢のソロ・キャリアで初めて、オリコン・チャート1位に輝いた盤であり、シングル盤としての、オリコン・チャート1位を記録した「時間よ止まれ」を収録していることもあって、1970年代矢沢の世界で、絶対に外せない名盤だと僕は思っている。
リリースされたのが1978年6月、そして、学生時代の懐かしい想い出が一杯詰まった、あの永遠の夏の名曲「時間よ止まれ」が収録されていることもあって、この『ゴールドラッシュ』ってアルバム、僕にとっては忘れる事の出来ない「夏のアルバム」です。
夏の夜、エアコンの効いた部屋の中で、バーボン片手に良く聴きます。そう、矢沢永吉の盤にはバーボンのロックが良く似合う、と思っています。ちょっと「キザ」ですかね(笑)。
大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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