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2013年8月 6日 (火曜日)

元気溌剌なサンボーンが魅力的

ジャズを聴き始めて、はや37年になるが、ジャズ・ミュージシャンの中には、なかなか縁遠いミュージシャンもいる。フュージョン・ジャズの有名どころである、デイヴィッド・サンボーン (David Sanborn)もその一人。

ジャズを聴き始めた頃、デイヴィッド・サンボーンは、既に有名ミュージシャンだった。ちょうど、かの有名盤『Heart to Heart』がリリースされた頃である。そのうちそのうち、と思っている間に、サンボーンは「泣きのサンボーン」と呼ばれるようになり、皆が良い良い、とこぞってサンボーンを聴くので、天の邪鬼な僕は、サンボーンをジックリと聴く機会を失った。

昨年末、とある病気で命を落としそうになって、これはあかん、と思った。デイヴィッド・サンボーンをちゃんと聴いてはいない、しっかりと聴かねばならぬ。そう思った。ということで、6月辺りから、デイヴィッド・サンボーンをデビュー盤から一枚一枚、聴き進めている。

さて、サンボーンのデビュー盤は『Taking Off』(写真左)。1975年のリリース。デビュー盤とは言いながら、このデビュー盤のセッションに参加したミュージシャンが凄い。錚々たるメンバーである。

めぼしいところを挙げると、Joe Beck, Steve Khan, Howard "Buzz" Feiten (g), Michael Brecker (ts), Randy Brecker (arr, tp), Steve Gadd (ds), John Beal, Will Lee (b), David Matthews (arr), Chris Parker (ds) などなど。デビュー盤としては破格のバックである。
 

Sanborn_taking_off

 
冒頭の「Butterfat」から、ライトなファンクネスをベースにした、アーバンでクロスオーバーなエレクトリック・ジャズが疾走する。時は1975年。ソフト&メロウを旨とするフュージョン・ジャズの流行は、もうちょっと先。1975年辺りは、クロスオーバー・ジャズが成熟し、フュージョン・ジャズへと移行を始める時期。このサンボーンのデビュー盤は『Taking Off』は、そんな時代を捉えた音がぎっしりと詰まっている。

このアーバンでクロスオーバーなエレクトリック・ジャズに乗った、サンボーンのアルトが実に良い雰囲気を醸し出している。ソフト&メロウを旨とした「泣きのサンボーン」以前、健康的でブリリアントなアルトを吹きまくる、元気溌剌なデイヴィッド・サンボーンが実に魅力的だ。このデビュー盤でのサンボーンのアルトは、実に良く「鳴っている」。

ブレッカー・ブラザースの二人や、縦ノリなドラムのスティーヴ・ガッド、流れる様なベースラインが心地良いウィル・リー、更には、フュージョンなギターが小粋なバジー・フェイトンも参加するなど、とにかく、当時のクロスオーバー・ジャズの豪腕な連中がバックを固めている。そして、そんな素晴らしいバックに乗って、ポジティブに、歌うように、サンボーンはアルトを吹き上げていく。

どの曲も水準以上、聴いていて心地良い演奏ばかり。これ、といった、思いっきりキャッチャーな演奏は無いんだが、このアルバムの演奏のそこかしこにサンボーンの個性的なフレーズ、個性的な手癖、個性的な節回しが聴き取れて、サンボーン者にとっては、なかなか楽しいデビュー盤だ。

 
 

大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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