ジャズ喫茶で流したい・45
久し振りに「ジャズ喫茶で流したい」シリーズ。ネットでも、ジャズ盤紹介本にも、ほとんど紹介されることのないアルバムなんだが、特に、ガーランドのファン、いわゆる「ガーランド者」には、涙無くして聴くことの出来ない盤である。この盤には、溌剌とした晩年のガーランドがいる。
そのアルバムとは、Red Garland『Feelin' Red』(写真)。1978年5月15日の録音。ガーランドは、1984年4月に逝去しているから、ガーランドの晩年、逝去の6年前の録音になる。ちなみにパーソネルは、Red Garland (p), Sam Jones (b), Al Foster (ds)。ジャケットのデザインは最低2種類あるので、戸惑うことの無い様に(笑)。
以下の様に収録曲を並べると、いやいや、大スタンダード曲がズラリと並ぶ。これだけの大スタンダード曲を、ブロックコードな左手とシングルトーンな右手で演奏するのである。恐らく、カクテル・ピアノっぽくなる。しかも、ガーランドも晩年の1978年の録音。ちょっと手を出すに躊躇われる内容である。
1. It's All Right With Me
2. You Better Go Now
3. On A Clear Day
4. Going Home
5. The Second Time Araound
6. I Wish I Knew
7. Cherokee
しかし、である。これが意外にも、ガーランドが溌剌と演奏しているのだから、ジャズって面白い。1950年代後半から1960年代前半。ハードバップなピアノで、バリバリ弾いていた頃と比べても遜色の無い、全体の雰囲気としては、1978年のこの『Feelin' Red』の方が覇気があって、ドライブ感が増している感がある。
まあ、よく聴くと、シングルトーンな右手がちょっともつれたり、ミスタッチしたりしているが気にしない。左手のブロックコードの入るタイミングもちょっとだけズレるところがあったりするが、それも気にしない。
このアルバムには、ちょっと荒々しくなってはいるが、そのドライブ感といい、その歌心ある右手のシングルトーンといい、在りし日のガーランドがいるようだ。
ネットでも、ジャズ盤紹介本にも、ほとんど紹介されることのないアルバムなんだが、意外とまとまった内容に感心する。特に、ガーランドのファン、いわゆる「ガーランド者」には、涙無くして聴くことの出来ない盤である。
この盤には、溌剌とした晩年のガーランドがいる。決して、ジャズ・ピアノの歴史に残る盤では無いが、ジャズ・ピアノのマニアには、実に滋味溢れるピアノ・トリオ盤です。ジャズ者中級から上級者向け。
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