こんなアルバムあったんや・24
蒸し暑い日が続きます。ちょっとマニアックなピアノ・トリオに「涼」を求める。こだわりジャズレーベル「澤野工房」が推薦の一枚。幻の名盤としてコアなジャズファンたちの間で垂涎の的だった一枚。
Vladimir Shafranov『White Nigths』(写真左)。1990年の録音。ちなみにパーソネルは、Vladimir Shafranov (p), George Mraz (b), Al Foster (ds)。ベースがジョージ・ムラーツ、ドラムスがアル・フォスターという組み合わせも良し。
とにかく、ジャズ・ピアノ・トリオの理想的な姿がここにもあったりする。日本ではマイナーな存在、恐らく、一般のジャズファンの方々は全く知らないのではないか、と思われるウラジミール・シャフラノフ。ロシア生まれでフィンランド在住の人気ピアニスト。
ウラジミール・シャフラノフ・トリオのジャズは、実に味わいのある、とりわけこのアルバムをお酒にたとえるならば、まさに微妙なバランスの上に成り立った美酒、レアもののフルボディなワインっといった感じ。
そして、この『White Nigths』、幻の名盤としてコアなジャズファンたちの間で垂涎の的だった。澤野工房によって復刻リリースされ、ついには大手CDショップで見事ジャズ部門売れ行きNo.1に輝いた、との伝説もあるこのアルバム、これはもう澤野工房を象徴する1枚だ。
スタンダードもほどよく(センスのいいセレクトで)入っていて、メロディアス、かつ、流れすぎず格調高く、それでいて、とってもスインギー。北欧らしいクリスタルな響きが印象的。端正で太い、弾力のあるリズム・セクション。
通だろうが、ビギナーだろうが、すぐに、するっと楽しめるところが、このアルバムの優れたところ。聴いて飽きないアルバム、つまり名盤の基本。
確かに、このアルバム、実はどこから聴いても聴けるのだ。途中で止めちゃってもいいし、好きな曲だけチョイスして聴いても良いし、CD時代の代表のようなアルバムであるともいえる。
言い換えると、一曲一曲の完成度が高いのだ。逆に、全14曲を一気に聴き通すと、胃にもたれてしまうような、ちょっと「コッテリ」したジャズ・ピアノ・トリオのアルバムです。体調万全の時では無いと、通して聴く事は厳禁です(笑)。
「良し、今日はジャズを聴くぞ」と気合いを入れて、構えて聴くようなジャズではない、気楽に聴けて、気楽に感動できる。こんなジャズも必要です。
大震災から2年5ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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