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2013年7月18日 (木曜日)

生粋のフュージョン・ギタリスト

出世作「Gentle Thoughts」に続くリーダー第3作目。Lee Ritenour『The Captain's Journey』(写真左)。1978年のリリースになる。ここでのリトナーは、自信に満ちあふれたプレイを縦横無尽に繰り広げている。

ソフト&メロウ、時に鋭く、時に煌めくようなテクニックを披露しつつ、ストリングスを入れた大仕掛けのアレンジやファンキーなボーカル入りの曲、ドラマチックな曲の展開など、後のフュージョンのスタンダードとなる演奏スタイルのほぼ全てが、ショーケースの如く並んでいる。

このアルバムは、フュージョンのギタリストのリーダー・アルバムとしては最高の一枚だろう。このアルバムと同じコンセプト、同じ展開、同じ構成で、このアルバムを凌駕したフュージョン・ギタリストのアルバムは無いと思う。

ジョージ・ベンソンは、純ジャズの出身のギタリストとして、煌めくようなテクニックに走るよりは、味のあるギターとメロウなボーカル路線で一世を風靡した。パット・メセニーは、純ジャズの世界からフュージョンへアプローチし、決してジャズのテイストを忘れず「純ジャズからフュージョンへのアプローチ」にこだわった。
 

The_captaions_journey

 
そういう意味で、このアルバムから判るのは、リー・リトナーというギタリストは、フュージョンから生まれた、生粋のフュージョン・ギタリストなんだ、ということだろう。リトナーの演奏の中に「純ジャズ的」な要素がかなり希薄なのだ。

その生粋のフュージョン・ギタリストの名演中の名演は、3曲目の「Sugarloaf Express」。この曲でのリトナーのプレイは、リトナーのギターの特徴と長所を余すことなく伝えている。甘く流れることのないソフィストケイトされた、それでいて力強いギター・ソロ。打ち込みやサンプリングでは出せない、ハイテクニックで人間味のあるリズム。

そして、意外にも、このアルバムは、全編を通じて、リトナーはファンキー。意外とコッテコテのファンクネスを漂わせて、エレギをブイブイ言わせている。

そう、この時代のフュージョンの名演は、まだまだ、人間が人間の手でリズムを刻み、人間の手でメロディーを奏でていた。プロのミュージシャンがプロとして君臨し、最高の羨望を集めていた頃の素晴らしい演奏の数々。僕は好きだ。

 
 

大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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