ジャズとディズニー曲との相性
ジャズを聴き始めた頃から不思議に思っているんだが、ジャズとディズニーのアニメ映画の主題歌・挿入歌とは相性が良くて、多くのジャズ・ミュージシャンが即興演奏のテーマに選んでいる。恐らく、メロディーがキャッチャーでコード進行がちょっとユニークなところが良いのかもしれない。
そんな中でもこのアルバムは飛び切り中の飛び切り、アルバム全編がディズニー・ソングなのだ。Dave Brubeck『Dave Digs Disney』(写真左)。これは楽しい。ディズニーのアニメ映画の主題歌・挿入歌の「てんこ盛り」。
ジャズ評論家やジャズ者の中で、ちょいと口の悪い方々は、このアルバムのリーダー、デイブ・ブルーベックを評して「スイングしないジャズ・ピアニスト」とか「四角四面のスクエアでスイングを知らないピアニスト」とか散々なのだが、このアルバムを聴いてみると、そんな評価は単なる勘違いに過ぎないことが良く判る。
さて、曲毎のご紹介。1曲目は「不思議の国のアリス」。ブルーベックのソロから始まり、お馴染みのフレーズが流れる。実に良い曲、実に良いインプロビゼーションだ。続く2曲目は「口笛吹いて」。「ピノキオ」の挿入曲だ。ジョー・モレロのブラッシュ・ ワークが素晴らしい。デスモントのまろやかにスイングするアルト・サックスも秀逸だ。
3曲目は「ハイ・ホー」。かの「白雪姫」の挿入歌で、7人の小人たちが唄ったマーチ調のナンバー。 ハイテンポの4ビートで演奏され、カルテットが一体となった「のりにのった」演奏が実に楽しい。 4曲目は「星に願いを」。これはもう定番ですね。「ピノキオ」の挿入歌。メロディアスなデスモントのソロが素晴らしい。
続いて5曲目は「いつかは王子様が」。この曲は「白雪姫」の挿入歌。僕はこの曲が大好きなんですが、ワルツにのった印象的なテーマが素晴らしい。この曲のジャズ化は、後に、ビル・エバンスやマイルス・デイビスがジャズ化したものが有名になるんですが、このブルーベック・カルテットが初めてとのこと。ジャズ化が初めてとは思えないくらいの、ナチュラルで優れたアレンジ。軽快なワルツのテンポにのって、カルテットは強烈にスイングする。
そして、最後の曲は 「ワン・ソング」。これはなかなかに小粋な選曲ですね。知る人ぞ知る小曲ですよね。良い曲なんですが、この曲はジャズ化についてはマイナーな存在。これも「白雪姫」からのナンバー。
ディブ・ブルーベック・カルテットが一丸となった、スイング感溢れる、ジャズっぽい演奏が力強く繰り広げられる。全編を通じて、よくスイングした、実に愛らしいアルバムです。おやすみ前のひとときにどうでしょうか。
大震災から2年3ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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