ラテン・フュージョンの優れもの
夏は暑い。暑いと熱気溢れるハードなジャズ演奏を聴くことが辛くなる。ついつい耳当たりの良いボサノバ・ジャズなどに安易に走ったりする。それも悪くはないんだが、ボサノバ・ジャズばっかり聴いていると基本的に飽きる(笑)。
実は私、松和のマスターこと、松和幸太郎は、ラテン・ジャズが大好きである。ラテン音楽は、中南米発祥の音楽の総称。ルンバ、マンボ、サルサ、カリプソ、スカ、レゲエ、ブーガルー、サンバ、ボサノヴァ、タンゴ、クンビアなどなど。前世は中南米人ではなかったかと思う位、どのスタイルも好き、どのスタイルを踏襲したジャズも大好きである。
よって、夏はラテン・ジャズが結構な確率でヘビロテになる。スパニッシュな雰囲気がプンプンするラテン・ジャズなんて、猛暑の夏に大のお気に入りである。そして、ラテン・ジャズはフュージョン系の演奏が一番良い。
そんなラテン・フュージョンのお気に入りのアルバムの一枚が、本多俊之&Burning Waves『Spanish Tears(スパニッシュ・ティアーズ)』(写真左)。1980年のリリース。ちなみにパーソネルは、本多俊之 (as,ss,fl), 野力奏一 (p,el-p), 井上哲也 (el-b), 平山恵勇 (ds), 帆足哲昭 (per), 上田力 (arr,cond), Freddie Hubbard (tp), 森園勝敏 (g), 奥平真吾 (ds)。
ギターの森園勝敏、トランペットのフレディ・ハバードの参加が目を惹く。他の日本人メンバーも優秀ミュージシャンがズラリ。これだけのメンバーを集めれば、よっぽどのことが無い限り、傑作がものに出来ること間違い無しである。
このアルバムは、なんといっても、冒頭の「I Never Forget」が良い。テーマ部のキャッチャーで爽快なメロディーを、力強いアルトで本多が吹き上げていく。これがなんといっても良い。そして、アドリブ部に入って流麗な節回しとアルトのブラスな響き。これがまた良い。
この「I Never Forget」を聴いて、どっかで聴いたことあるぞ、テレビのコマーシャルのテーマ曲だったような気がする、と思われる方は、1970年代のフュージョン・ジャズ時代をリアルタイムで駆け抜けた、僕達と同じ「昭和のおじさん世代」である。
そう、この「I Never Forget」は、当時の東芝ラジカセのテレビ・コマーシャルのテーマ曲でした。ラジカセがテレビのコマーシャルになった時代である。
ちなみに余談であるが、東芝のオーディオ・ブランドは何と言ったでしょう。「オーレックス」ですね。この「オーレックス」がスッと口から出る方は、1970年代のオーディオ・コンポ・ブームをリアルタイムで駆け抜けた僕達と同じ「昭和のおじさん世代」である(笑)。
2曲目「Eastern Legacy」以降、ラストの「Ode To Autumn ( 秋に捧ぐ )」まで、スパニッシュな雰囲気がプンプンするラテン・ジャズが「てんこ盛り」である。どの曲も良い。どの演奏もピチピチとした若さ弾ける、疾走感と爽快感溢れる、素晴らしい内容のラテン・フュージョンである。上田力のアレンジの勝利。
日本のフュージョン・ジャズの秀作として、お勧めの逸品。フュージョン者にはマスト・アイテム。聴くべし。
★大震災から2年4ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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