ジャズ喫茶で流したい・44
昔々にゲットしたビーナス・レコードのホーン・ベストの1曲目『煙が目にしみる』。このエディ・ヒギンス& スコット・ハミルトンの演奏がいたく気に入った勢いで、当の本人たちのオリジナル・アルバムを即ゲットした。
Eddie Higgins Quartet featuring Scott Hamilton『Smoke Gets In Your Eyes』(写真左)。 エディ・ヒギンス名義&スコット・ハミルトン共演、アルバム名はズバリ『煙が目にしみる』。
これがまた、実に渋く「ニクい」アルバムで、全編スローバラードからミッドテンポの、これがまた、格好良いテナーと趣味の良いピアノの組合せ。
スコット・ハミルトンといえば、1970年代、フュージョン・ジャズ全盛時代に、スイング・ジャズなスタイルという古典的なスタイルを引っ提げ、その個性的なテナーで注目を集めたサックス奏者である。このアルバムで、僕はそのスコット・ハミルトンと20年ぶりの再会を果たしたわけ。
実は、このスコット・ハミルトンのテナーが凄く良い味出してるんだよな〜、このアルバム。本当に「これぞジャズ・テナー」って感じの堂々たるブロウには惚れ惚れする。
早速、CDをトレイに載せると、冒頭の「メランコリック・ラプソディ」からハミルトンはやってくれるではないか。スローな味のある演奏で、渋いテナーが「のっけから全開」である。バックのヒギンスのピアノも凄く良い味出してる。滋味溢れる伴奏ピアノとでも形容したら良いか。
2曲目は、ミッドテンポで、小粋にスイングしまくる「イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン」。自然に体が動いて、リズムに合わせて、ついつい膝を叩いてしまいます。
3曲目の「あなたは恋を知らない」なんぞは、絶妙のバラード演奏。しみじみしてしまいますね。そして、 4曲目は「バイ・マイセルフ」。すこしアップテンポの楽しい、そして少し「もの悲しくて」とても味わいのある、こくのある演奏。
そして、5曲目は、やってきました「煙が目にしみる」。これは、もう説明はいりませんね。実に渋い緩やかなテナーが、趣味の良いリズム・セクションに乗って、朗々とブロウしていきます。歌心溢れる古典的スタイルのテナー。安定感、安心感、説得力抜群です。
そして、極めつけは9曲目、ディズニーの名曲「星に願いを」。この演奏にはもう何も言葉はいらない、そんな雰囲気一杯にググッとくる、情感溢れる素晴らしい演奏です。
ハミルトンのテナーもヒギンスのピアノも、それはそれはとても素晴らしい。暑い夏に一服の清涼剤の様な、爽快感溢れ、シンプルに語りかける様なテナーとピアノ。
快適なテンポでスインギーに演奏される名曲あり、情感たっぷりに歌い上げられるバラードあり。真夏の季節のジャズに爽快なサックスあり、小粋なピアノあり。このアルバム、この夏の季節に、寝苦しい夜の季節に捧げたい。
大震災から2年3ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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