夏はボサノバ・ジャズ・その16 『DREAM』小野リサ
「ボサノバ」と言うと、やはり、日本人ミュージシャンの中での人気者は「小野リサ」だろう。
「ブログのボサノバ特集に、なぜ、小野リサさんを紹介しないのですか?」と いうお問い合わせを頂くことが、たまにあるのだが、「小野リサ」さんといえば、ボサノバど真ん中。 どこからみても、しっかりとした「ボサノバ」なのだ。ボサノバ・ジャズでは無い。個人的には、日本人として、よくここまで完璧にボサノバを表現できるもんだ、と大いに感心しているくらいだ。
ほんと「ボサノバ」というジャンルがぴったりで、バック・ミュージシャンの面々を眺めてみても、 ジャズにはほとんどといっていいくらい、ジャズに接点が無い。まあ「ボサノバ」というジャンルなので、「アラウンド・ジャズ」、つまり、ジャズの周辺って感じがぴったりなのだ。
ということで、ちょっと、あきらめ気分で彼女のディスコグラフィーを眺めていたら、おおっ、ありましたありました。当ブログのボサノバ特集でご紹介するのがピッタリの、実に「小粋な企画」型のアルバムが。
そのアルバムは、小野リサ『DREAM』(写真左)。なんと収録された曲名を見てみると「ムーンライト・セレナー デ」「二人でお茶を」「ナイト・アンド・デイ」「時の過ぎゆくまま」「サボイでストンプ」「センチメンタル・ジャーニー」「チャタヌガ・チュー・チュー」など、なんとなんと、スイング時代の名曲、モダンジャズにおけるスタンダード曲と呼ばれる定番的名曲がずらり。
いいな〜これ。これらジャズのジャンルでよく演奏される定番曲達を「ボサノバ」のリズムと雰囲気に包んで、実に「小粋」に聴かせてくれるのだ。
2曲目の「ムーンライト・セレナーデ」などを聴くと、あのスイング時代の名バンド、グレン・ミラー楽団の名曲が、ボサノバのリズムにのせると「この様に変身を遂げるのか」と感心するばかり。とにかく、原曲の美しい旋律をしっかり残しつつ、自然体で「ボサノバ」するのだ。この2曲目は何回聴いても飽きない。
4曲目の「二人でお茶を」から、7曲目の「サボイでストンプ」までのシリーズは、モダンジャズでの定番スタンダード。ボサノバのリズムにのって、ジャズの定番スタンダードがウキウキ跳ねたり、ゆるゆるリラックスしたり、ユラユラ揺らめいたり。こんなに曲の表情が変わるのですね。
絶品は12曲目の「センチメンタル・ジャーニー」。こんなにリラックスした、レイド・バックした 「センチメンタル・ジャーニー」は、初めて聴いた。癒しの極みである。体中がリラックスして、あまりのリラックスさに、ついには、ウトウトしてくるくらいだ。
ボサノバが、モダンジャズのジャンルで演奏されて久しく、結構、耳慣れた感があるが、モダンジャズのジャンルの定番曲が、ボサノバのジャンルで演奏されるというのは、僕は今回が初めて。いや~、いいもの、聴かせてもらいました。
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