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2013年5月28日 (火曜日)

デジタル臭さが気になるけれど

ボブ・ジェームスとアール・クルーのコラボ、2枚目のアルバムである。Bob James & Earl Klugh『Two Of A Kind』(写真左)。1982年のリリース。1982年と言えば、フュージョン晩年期。フュージョン・ジャズの流行が終焉を迎え、セールスに翳りが見え始めた頃。そして、デジタル録音が主流になり始めた頃。

今の耳で聴くと、このアルバムの音が面白い。ピアノの音やアコースティックギターの音のエッジが鋭角に立っていて、尖った感じの、思いっきりメリハリのあるキンキンした音。ダイナミックレンジは広いが、ざらざらして何故か人工的な乾いた音。これが、当時のデジタル的な録音の音。まだまだデジタル録音には問題が多く、音質はアナログ録音に比べて圧倒的に劣る。

ボブ・ジェームスのアコピの音がキンキンと金属音に近い音で鳴り響き、アール・クルーのアコギのアタック音がキンキンと金属音に近い音で鳴り響く。今の耳で聴くと、とても「痛い」音である。

昨日、ご紹介した、ボブ・ジェームスとアール・クルーのコラボ、1枚目のアルバム『One on One』の録音はアナログ録音として秀逸な音だった。ピアノはふくよかな響きでなり、アール・クルーのアコギはナイロン弦を使用しているのが良く判る、アタックは強いが芯が丸い、豊かな響きが素晴らしい。いかにも、アナログ的な録音で、それはそれは心地良い音である。
 

Two_of_a_kind

 
まあ、このボブ・ジェームスとアール・クルーのコラボ、2枚目のアルバム『Two Of A Kind』は、どうしてもデジタル臭さが気にかかる録音で、それが惜しい。ボブ・ジェームスとアール・クルーの演奏は申し分無いもので、前作のフュージョン・ジャズな演奏から、セールスを意識したのか、後のスムース・ジャズ的な演奏にシフトしているのだが、当時のジャズを取り巻く環境を如実に反映しているようで面白い。

前作がカリビアンな響きが特徴だとすれば、本作は、かなりアーバンな感じになっており、マニアックな大人のフュージョンという面持ちの音がとても聴き易い。

パーソネルをおさらいすると、Earl Klugh (g), Bob James (p), Harbey Mason (ds), Gary King (b), Leonald "Doc" Gibbs (per), Sammy Figueroa (per)。なるほど、そうそうたるラインナップですね。テクニカルでマニアックな響きの中に、どこかノンビリした「ラフさ」があるんですが、ドラムがハービー・メイソンなんですね〜。僕はハービー・メイソンのドラムって大好きなんです。

デジタル臭さが気になる録音を差し引いても、演奏全体のクオリティが素晴らしく、入手して決して後悔しない、フュージョン後期の佳作だと思います。フュージョン・ジャズというより、スムース・ジャズの先駆け的な音作りは、なかなか聴き応えがあります。

全てのフュージョン者の方々にお勧めです。10年前以上の昔のCDは、リマスタリングの問題があるので、最新のCDを入手して下さいね。

 
 

大震災から2年2ヶ月。決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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