ラーセン=フェイトン=バンド
昨日、幻のバンド「フルムーン」のお話しだった訳だが、今日は、その「フルムーン」の核となった二人のミュージシャン、ニール・ラーセン (key) と バジー・フェイトン (g)の双頭リーダー・バンド「ラーセン=フェイトン=バンド」の登場である。
当時、『Jungle Fever』や『High Gear』と快調にヒットアルバムをリリースし続けていたニール・ラーセン(Neil Larsen)のワーナー移籍第1弾のアルバム。このワーナー移籍第1弾のアルバムを強力にサポートしたのが、名プロデューサー、トミー・リピューマ(Tommy Lipuma)。そのワーナー移籍第1弾のアルバムは、盟友バジー・フェイトン(Buzz Feiten)との双頭バンド名義の作品として登場。
そのアルバムとは、僕の大のお気に入りである『Larsen-Feiten Band』(写真左)。このアルバムは1980年のリリース。ちなみにパーソネルは、Neil Larsen (key,vo), Buzzy Feiten (g,vo). Art Rodrigez (ds), Lenny Castro (per,vo), Willie Weeks (b)。
このアルバムがまあ、それはそれは素晴らしい内容で、リリースされた当時、即ゲット、即ヘビロテな盤になった。いや〜、このアルバムは、ほんまによく聴いた。
冒頭の「Who'll Be The Fool Tonight」を聴けば、この双頭バンドのテイストが直ぐに判る。リズム&ビートは、ジャズもしくはR&B。と言って、単純なフュージョン・ジャズでは無い。ロック、Jazz、ファンク、ソウル、R&B、といった1970年代、米国で流行った音楽ジャンルの音を上手くミックスした、ジャンル不詳な音世界。
演奏全体を覆う、切れ味良く小粋なファンクネス。ラーセンのファンキーなオルガンやエレピを軸にして、フェイトンのギターとヴォーカルが味わい深く響きます。この双頭リーダーの二人、ラーセンのエレピとフェイトンのギターの相性が抜群なんですね。
演奏全体のレベルは高い。それぞれが双頭のテクニックを保持している。そんな職人気質を前面に押し出したファンキーでアダルトな感覚。大人のフュージョン・ジャズであり、小粋なAORである。そう、この『Larsen-Feiten Band』は、フュージョン・AORである(笑)。
ラーセンのエレピが主役でインスト・ナンバーの「Further Notice」なんかは、お洒落で小粋なフュージョン・ジャズ。スカのリズム&ビートが楽しい「Morning Star」。ホーンの響きとアレンジが秀逸でむっちゃファンキーな「Make It」。こいつはほんまに絵に描いた様なファンクネスが芳しい「Danger Zone」。他の曲も内容に優れ、聴きどころ満載なアルバムです。
ボーカルが入っていたらAOR、インスト・ナンバーだけだったらフュージョンなんて、乱暴なジャンル分けもあった1980年当時。この『Larsen-Feiten Band』は、AORの名盤として頻繁に採り上げられたりもしていたっけなあ。この『Larsen-Feiten Band』の音世界は、音楽のジャンル分けが意味の無いものにしてしまう。
ちなみに、このアルバムのジャケット写真は、Norman Seeff(ノーマン・シーフ)の撮影。むっちゃ格好良いモノクロの世界。LPサイズのジャケットは迫力満点でした。ジャケ良し音良し。素晴らしい内容が今も魅力の『Larsen-Feiten Band』です。
大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
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