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2013年5月 8日 (水曜日)

ビ・バップとハードバップの特徴

ジャズって面白いな、って思う。ジャズの演奏スタイルやミュージシャン毎の個性が聴き分けられるようになると、俄然、ジャズを聴くことが面白くなってくる。

例えば、ここに、Dizzie Gillespie & Roy Eldridge『Roy and Diz #2』(写真左)というアルバムがある。1954年10月29日の録音。パーソナルは、Roy Eldridge, Dizzy Gillespie (tp, vo), Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b), Louis Bellson (ds)。なんだか凄い面子。

1954年と言えば、ジャズの演奏スタイルとして、ビ・バップからハード・バップへの移行期にあたる。「ビ・バップ」とは、一言で言うと「マニアックなジャズ」。複雑なコード進行をベースとして、高度なテクニックを駆使して、疾走感溢れる速さで演奏するスタイル。ミュージシャン同士の腕の競い合いであり、そんなアクロバティックな展開を楽しむもの。いわゆる、ハイレベルのスポーツを見て楽しむ雰囲気。

「ハード・バップ」は、ビ・バップの様な複雑なフレーズやスピードよりも、旋律がもたらす雰囲気・味わいを重要視し、ビ・バップの自由でアーティスティックなアドリブ展開とリズム&ブルースが持つ大衆音楽としての聴き易さと親しみ易さを基本として、リズム&ビートをベースとしたスイング感とドライブ感を強調しながら、メロディアスに洗練されたスタイル。聴いて鑑賞されることを意識したアーティスティックな演奏スタイル。
 

Roy_diz_2

 
この『Roy and Diz #2』には、ビ・バップ的な傾向が強い演奏と、ハード・バップ的な傾向が強い演奏とが混在しているところが面白い。しかも、ビ・バップの演奏は、そのアクロバティックな展開が故に、2〜4分の短時間の演奏がほとんどだが、このアルバムでのビ・バップな演奏は長尺なのが特徴。

そう、この『Roy and Diz #2』は、各曲の演奏時間が長い。短い曲で5分半程度。後の3曲は、9〜11分の長尺の演奏ばかり。リズム&ビートがミッドテンポなハード・バップな演奏は実に心地良い。ディジーとロイ、共通するのは、ビ・バップなトランペッターという点であるが、鋭角で尖った、切れ味鋭いディジーと、丸くてマイルドではあるが、ゴリッとした芯のある音のロイ、個性は全く異なる二人の演奏を堪能できる。

逆に、長尺のビ・バップな演奏のうるさいこと、うるさいこと(笑)。テクニックは優秀、疾走感溢れる速さで演奏するディジーとロイではあるが、とにかく耳について「うるさい」。加えて、オスカー・ピーターソン・トリオのバッキングも、そのテクニックは一流だけに「うるさい」ことこの上無し(笑)。それぞれの演奏内容は素晴らしいんやけどなあ。疾走感溢れる速さで演奏されると「うるさい」。

このアルバムを聴いていると、ビ・バップとハードバップの特徴が良く判って面白い。やはり長尺の演奏となると、ハード・バップ的な演奏に軍配が上がる。一言で言うと、聴いていて心地良いのだ。やはり、ビ・バップは短時間の演奏に限る。

 
 

大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

おひさしぶりです。

ちょっと気になったので一言  ビバップの時代は1955年くらいまでで SPレコードの時代であり 長尺の演奏は録音してもレコードにできなかったはずで よって残った録音は短いものが多いのだと思います。 有名なマッセイホールのパーカーなどは1曲9分のものもあります。 パーカーの自伝などを読んでいても長々と演奏したような記事があったように思います。 (さだかではありませんが) けっして演奏スタイルのせいだけではないと思います。  まあでもビバップは短いほうがよいというのは賛成です。   

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