最近のトラックバック

« ラーセン=フェイトン=バンド | トップページ | フライド・プライドの会心作です »

2013年5月16日 (木曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・34

このピアノ・トリオ盤は、ジャズ者初心者からベテランまで、老若男女、全ての人達にお勧めである。そのピアノ・トリオ盤とは、Kenny Drew Trio『By Request』(写真左)。

タイトルからして、ははん、と思われるジャズ者の方も多いだろう。確かに、このピアノ・トリオ盤は、当時のジャズ雑誌の権威「スイング・ジャーナル」で、ケニー・ドリュー・トリオで演奏して欲しいスタンダード曲は何、という読者からの人気投票を受けて、上位10曲を演奏して収録した、いわゆる「企画盤」。

もちろん選ばれている曲は超有名なスタンダードばかり。日本のレコード会社のジャズの企画盤は、その意気込みの割に凡庸なものが多い。企画は悪くはないんだが、それをプロデュースする、それをアレンジする、そして、ジャズ界の有名ミュージシャンを集めて、演奏させる。

と、あ〜ら不思議、内容イマイチの、演奏イマイチの、アレンジがイマイチの「なんでこ〜なるんや」的なへんてこりんな内容の企画盤が完成する。日本のレコード会社の企画盤にこの傾向が強い。

この『バイ・リクエスト』も最初はそう思った。スイング・ジャーナルのレビューの絶賛評論を読んでも信用出来ない。こういう企画盤って、レコード会社とジャズ雑誌は絶対に「つるんでいる」からな(笑)。でも、このケニー・ドリュー・トリオのパーソネルを見て考え直した。

そのパーソネルとは、Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Ed Thigpen (ds), Kenny Drew (p)。ちなみに、このアルバムの録音日は、1985年8月24&25日。日本のレコード会社の企画盤ではあるが、なんと録音地はコペンハーゲン。しかも、ケニー・ドリューがセルフ・プロデュース。この録音地とプロデュースが良かったのではないか。
 

Kenny_drew_by_request_2

 
素晴らしく良い内容のピアノ・トリオ演奏である。ケニー・ドリューのバップで黒く、そこはかとなくファンキーなピアノが、このアルバムでは端正に響く。スタンダード曲を演奏するのに、この端正さは実に良い塩梅である。テーマが良く判るし、インプロビゼーションの展開もタッチが明快で気持ち良い。

そして、ペデルセンの超弩級のベースが、このピアノ・トリオの花形。鋼質のブリブリ響くペデルセンのウォーキング・ベースとソロが凄い。ドリューのピアノを惹き立て、インプロビゼーションの底をしっかりと支えつつ、自分の盤になると、ブリンブリンと鋼質なベースを響かせる。野太いが繊細さも併せ持つ「男のベース」である。

そしてそして、エド・シグペンのドラムが良いんだな〜、これが。このアルバムでのシグペンのドラムは素晴らしいものがある。シグペンの名演のひとつに挙げたい。オスカー・ピーターソン・トリオで鍛えに鍛えられたエド・シグペン。タムタムやスネア、シンバル等々、ドラム・セットを構成するそれぞれが、実に良い音を出している。実に趣味の良い小粋なドラミング。

いやはや、こんな3人が、超有名なスタンダード曲を演奏するのだ。これがまあ素晴らしいのなんのって。超有名なスタンダード曲ばかりなので、ジャズ者ベテランとしては、なんだか気恥ずかしさが先に立ったりするんだが、そんなつまらないプライドは捨てなさい、と言いたい(笑)。

当然、ジャズ者初心者の方々には、絶対のお勧めピアノ・トリオ盤です。とにかく、ジャズ者初心者からベテランまで、老若男女、全ての人達に言いたい。この『By Request』の良さは「聴けば判る」。

 
 

大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ラーセン=フェイトン=バンド | トップページ | フライド・プライドの会心作です »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/51655126

この記事へのトラックバック一覧です: ピアノ・トリオの代表的名盤・34:

« ラーセン=フェイトン=バンド | トップページ | フライド・プライドの会心作です »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ