あさ美ワールド全開のセカンド盤
当時の個人的な気持ちからすると、彼女の清楚で都会的な表向きの雰囲気とその裏に潜むコケティッシュな、ある面エロティックな雰囲気にグッときて、加えて、露出度が低いアーティスト故、知る人とぞ知るという感じの雰囲気から、彼女を独占している感じがマニア心をくすぐる、そんな感じが好きだった。
だから、あんまり、人に教えないのですよね、彼女の存在を。親友とか、仲の良い奴にしか教えない、特別なアーティストだったんだよな、門あさ美って。
さて、そんな門あさ美のセカンド盤『Sachet(サシェイ)』(写真)。前作『Fascination』と比べて、曲の表題が、全て、英語から日本語に統一変更されて、ちょっと分かり易くなったセカンド盤。日本語になった分、なんだか、艶めかしさも増して、門あさ美ワールド、パワーアップってな感じです。
このアルバム、前作と比べるとアレンジ面で大衆寄り、いわゆる、当時のニューミュージック的なアレンジになって、俗っぽくなっている。前作は、マニア的に嬉しい「和製ソフトロック風」で、実にマニアックな曲作りがなされていて、聴き応えのあるモノだったのだが・・・・。やはり、デビュー作の前作が売れたことにより、制作側のレコード会社が、売らんがための出しゃばりを始めた結果なのだろう。
センスが無いレコード会社の「売らんがため」の戦略ほど、出しゃばりで不必要なものは無い。このアルバムも、そのセンスの無いレコード会社の「売らんがため」の意向が働き始めたものと推察する。
とはいうものの、ギリギリの線で「和製ソフトロック風」な雰囲気をキープしているところに、アレンジャー陣の心意気を感じられるのが嬉しいセカンド盤。
冒頭の「セ・シボン」からラストの「やさしい声で殺して」まで、門あさ美ワールド全開なのだが、この1曲といえば、僕的には、6曲目の「ロンリー・ロンリー」やなあ。
シングル・カットされたこの曲、初めて聴いたのはFMの番組上なのだが、最後のサビの「わがまま女のピリオド〜、貴方が好き〜♫」のコケティッシュな絶唱でイチコロ。
この曲、アレンジも秀逸で大好きなのだが、よくよく見ると、松任谷正隆さんなのですね。曲冒頭の出だし、ストリングスが、沸き立ち飛び上がる様は、松任谷さんの面目躍如。他の曲も、前作に比べると、グッと大人の女になった歌詞が艶めかしい。
当時、門あさ美は、オシャレな大人の女の恋心の表裏を的確に描写していて、当時の女性シンガーソング・ライターと比べると、かなり個性的だった。というより、きっと、門あさ美の方が本音らしくて、他のニューミュージックと呼ばれたジャンルの女性シンガーソング・ライター達の方が、「売れんがため」に、カマトトぶっていたのではないか。
この門あさ美の『Sachet(サシェイ)』ってアルバム、当時のニューミュージックと呼ばれるジャンルの商業主義の裏側を垣間見るような、当時の典型的なニューミュージック的なアルバムともいえる。
大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« 謎の大人のニューミュージック | トップページ | 東欧風のエキゾチックなギター »
貴重な映像で
門あさ美 完全版 全6曲
https://youtu.be/dY6kYWFc3xk
投稿: | 2015年7月31日 (金曜日) 12時09分