幻の映像『Photos of Ghosts』
最近、イタリアン・プログレッシブ・ロックが熱い、なぜかは判らないが、イタリアン・プログレが再評価されつつある。特集を組むロック雑誌もあれば、イタリアン・プログレの専門本を出版する動きもある。確かに、1970年代、プログレと言えば、英国を筆頭に、イタリア・ドイツ・オランダなど、欧州の国々が中心で、イタリアは英国に次ぐプログレ大国だった。
さて、イタリアン・プログレの雄といえば「PFM」。「PFM」は「Premiata Forneria Marconi」 の略称。カタカナ表記で書くと、プレミアタ・フォルネリア・マルコーニ。イタリアが世界に誇るプログレッシヴ・ロック・グループである。イタリアン・ロックの最高峰であり、プログレッシヴ・ロックの至宝。
「プレミアタ・フォルネリア・マルコーニ」の意味するところは、EL&Pの様に、プレミアタさんとフォルネリアさんとマルコーニさん、3人の姓を取って名付けたものでは無い。このバンド名を初めて聞いた時はてっきりそう思った。
しかし、メンバーがインタビューで答えるには「選ばれたマルコーニという名のパン屋さん」の意味だそうだ(笑)。北イタリアのブレッシアには、マルコーニという、パン屋のチェーン店があったらしい。なぜ、彼らが、パン屋さんの名前をバンド名にしたかは不明。(あまりに長いバンド名なので、以降、PFMと略しますね)
さて、そんなPFMのアルバムの中で初めて手にして聴いたスタジオ録音盤が、英語盤として1973年に発表された第3作目『Photos of Ghosts』(写真)。 邦題は「幻の映像」。
このアルバムは、ピート・シンフィールドが英詩を担当し、EL&Pが主催するマンティコア・レーベルからリリースされた。 イタリアン・プログレッシブ・ロックの優れた音楽性をアピールするとともに、欧州プログレの世界進出の先駆けとなった作品。 その優れた内容はプログレ好きの国々で絶賛された。
ダイナミックで骨太、体力勝負的なライブアルバム『Cook - Live In USA』を聴いた後、このアルバムを購入したので、このアルバムの持つ、繊細かつ幽玄な世界がなんとなく「かったるしく」て、物足りない気分を味わったのを覚えている。当時はまだ若かったんですね。楽しみにしていた2曲目の「Celebration」など、ライブ盤に比べると、テンポも遅くて温和しめの演奏でガッカリ(笑)。
今の耳で聴くと、この繊細かつ幽玄な世界は素晴らしい。当時のプログレというロックのフォーマットの中で、これだけ繊細な音世界を表現出来るって凄い。当時のイタリアン・プログレの実力を感じます。今では、再生装置の性能も上がって、この幽玄な世界がとても心地良く響きます。
何と言っても冒頭1曲目「River Of Life」のスケールの大きな演奏は感動もの。全体を通して、美しい旋律あり、激しい展開あり、スケールが大きく、かつ繊細な面も持ち合わせ、緩急自在の演奏力を駆使した素晴らしいアルバムだと思います。
大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。
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こんにちは。
Bluesの正解にもイタリアンが進出して来ました。
タイトルは英語で歌詞がイタリア…聴いていて何だか違和感が有るな~と思ったら(笑)
話は変わりますが、先日ハンプトンとピーターソンの5枚組をやっとの思いで買う事が出来ましたが、聞き慣れたミルト・ジャクソンと違って此方も違和感が有りましたが、最近ヤット聞き慣れました。
ピーターソンのロンドンハウスの5枚組のライブも良いですね…
投稿: musselwhite | 2013年4月22日 (月曜日) 11時41分