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2013年3月 7日 (木曜日)

この『Song Travels』は良い

このところ、オーネット・コールマンやアダムス=ピューレン・カルテットなど、ちょっとハードでフリーキーなジャズが多かったので、ちょっと耳を休めたくなった。そういう時は、耳当たりの良いフュージョン・ジャズか、しっかりと筋の通ったジャズ・ボーカルが良い。

ずっと不思議に思っているのが、女性ジャズ・ボーカルのデビュー作の多さ。毎月必ずと言って良いほど、ジャズ月刊誌のディスク・レビューの欄に登場する、女性ジャズ・ボーカリストのデビュー作。

まず、女性ジャズ・ボーカリストの数の多さにビックリする。そして、デビュー作の多さにデビューする。しかし、その中でセカンド・アルバムにまで発展するボーカリストの少ないこと。なんだか、普通の女の子が、青春の思い出にアルバム出してみました〜、なんてノリが思わず脳裏をよぎる。

ということで、女性ジャズ・ボーカリストのデビュー作には、滅多に触手を伸ばさない。特に、超有名なジャズ・スタンダードをズラリ並べたものなんて、決して手にすることは無い。信用出来ん。超有名なジャズ・スタンダードほど、歌うのに難しいことは無いんやからね。

しかし、今回のこの女性ジャズ・ボーカルのデビュー作には手が伸びた。収録曲の選曲は半端では無い。実に渋い選曲。これは聴いてみたいと思った。恐らく、耳にして心動くものがあって歌って心地良い曲や、プロとして歌いこなすのに半端ない、歌い甲斐のある曲なんだろう。「I'm Always Chasing Rainbows」なんて、なかなか選曲しませんぜ〜。

松岡ゆかり『Song Travels』(写真左)。2012年8月20日, 21日の録音。ちなみにパーソネルは、松岡ゆかり(vo), 元岡一英(p, vo, chorus), 吉田豊(b, chorus), 横山和明(ds, chorus)。和製メンバーでガッチリ固めたところも好感度アップ。無用やたら、外国人ミュージシャンを侍らす、意味不明なボーカルアルバムの多々あるからなあ。
 

Song_travels

 
この『Song Travels』は良い。とにかく選曲が渋い。Sam Jonesの「If You Never Fall in Love With Me (Del Sasser)」なんて選ぶ人は希少だろう。難曲である。Abbey Lincoln作の「Bird Alone」と「The World is Falling Down」が選曲されている。これも渋い。Abbey Lincolnは、松岡の敬愛するボーカリストの一人なんだろうか。

選曲だけでは無い。アレンジも渋い。特に、大スタンダード曲の「Falling in Love With Love」と「Skylark」のアレンジにはニンマリ。実に上手く「捻っている」。ジャズ者ベテランの方々に、これは一度聴いて欲しいですね。思わずニンマリしまっせ。聴けば判る(笑)。

おっと、それじゃあ、松岡の歌はどうなんだ、ということになるんだが、これは実に「良い」です。どっしりと重心を落とした、地に足が付いた芯のあるボーカルで、とにかく聴いていて落ち着く、実直で素直な雰囲気が素敵です。決してテクニックに走って大向こうを張る様な派手さはありませんが、素朴な雰囲気に純朴な味わい。良い感じのボーカルで飽きがこない。いいんではないでしょうか。

バックを務める元岡一英トリオも好演。このピアノ・トリオの堅実で味わいのあるバッキングがあるからこそ、松岡のボーカルが更に映える。やはり、優れたボーカル・アルバムには、優れたバンドがバックに控えているんですね。ほんと良い響きのピアノ・トリオです。ボーカリストとして、こんなピアノ・トリオがバックだったら、さぞかし歌い甲斐があるんやろうなあ。

本当に久し振りに入手した女性ジャズ・ボーカリストのデビュー作である松岡ゆかり『Song Travels』。ジャケットの青空の色合いも爽やかで良く、タイトルも「歌の旅へのお誘い」をイメージしてグッド。良いボーカル、良いアルバムです。

 
 

大震災からもうすぐ2年。でも、決して忘れない。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力しよう。 

Never_giveup_4

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