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2013年3月10日 (日曜日)

微笑の法則〜Smile on Me

昨日、書庫を整理していて発見された、LPをデジタルデータに落とした時の音源データのバックアップCD-R。そのCD-Rの中に、柳ジョージ&レイニーウッドの『Rainy Wood Avenue』(写真左)があった。

柳ジョージ&レイニーウッドかぁ。懐かしいなあ。柳ジョージが結成したバンドで、活動期間は1975年〜1981年。僕は、高校時代から大学時代、この柳ジョージ&レイニーウッドをリアルタイムで体験した。ブルース・ロックとR&Bをベースとした音作りで、当初は歌詞は英語で統一していたが、途中、歌詞を日本語にして、それが幸いしたのか、メジャーな和製ロックバンドとして成功を収めた。

ブルース・ロックとR&Bをベースとした音作りなんだが、ちょっと垢抜けない「ベタ」なところあって、これがまた癖になる。柳ジョージのボーカルもこぶしを効かせた、男気をプンプン漂わした、ちょっと演歌っぽいボーカルで、これはこれで「バタ臭い」のだが、これがまた癖になる。

なんやかんや言いながら、大学時代、ジャズに聴き疲れた時、AORに飽きた時、決まって聴き易いニューミュージックの音に走るのだが、そんな時、この柳ジョージ&レイニーウッドには結構お世話になった。

当時、大阪にいて、この柳ジョージ&レイニーウッドの音世界を通して、横浜、横須賀、米軍基地、米国音楽、R&B、ブルース、異国情緒、男気、酒と煙草の匂い、を強烈にイメージした。大阪にいては「無縁」な異国情緒。決して行くことは無いであろう、横浜、横須賀の街並みを想像していた。その後、数年経って、東京に住むことになろうとは思いませんでしたが(笑)。

さて、この『Rainy Wood Avenue』、柳ジョージ&レイニーウッドの4枚目のアルバムになる。1979年11月5日のリリース。このアルバムは、オリコンチャート一位に輝いている。
 
なんといっても、4曲目の収録されている、資生堂とのタイアップソング「微笑の法則〜スマイル・オン・ミー」の存在だろう。このキャッチャーで男気溢れるボーカルを携えたCMソングは実に良かった。
 

Rainy_wood_avenue

  
そんな勢いのある時代のアルバムである。内容的に悪かろう筈が無い。あまりの懐かしいので収録曲を列挙してみる。
 
1. 眠りのない街
2. フォーリン・ダウン
3. Room 609
4. 微笑の法則〜スマイル・オン・ミー
5. 漂うままに
6. グッド・バイ・ジェーン
7. ブラザー・ジョー
8. 走馬灯のように
9. レイン
10. 遺言  

いや〜捨て曲無しですね。どの曲も良い雰囲気の曲ばかりで、このアルバムでは、歌詞がほぼ日本語で統一されていて、何を歌っているかが判り易いことも、このアルバムの良いところ。やはり、歌詞があるんだったら、判り易い方が良いよね、何を歌っているかが判るもんな(笑)。

やはり4曲目の「微笑の法則〜スマイル・オン・ミー」は、今の耳で聴いても、良く出来た曲だと思います。柳ジョージの男気溢れるこぶしの効いたボーカルが、これまた良く合います。冒頭の「眠りのない街」も良いなあ。スローなテンポで、洒落たブルース基調の曲。洗練される一歩手前の、ほんのり漂う「良い意味での野暮ったさ」が僕は大好きです。

そして、極めつけはラストの「遺言」。この歌の歌詞には、当時、心を揺さぶられました。大学時代、良く親友と深夜、酒を飲みながら、黙ったまま、聴き耳をたてたもんです。この歌世界は「演歌」の世界ですね。僕は当時「演歌ロック」って呼んでました。

1970年代、ニューミュージック全盛期に流行ったアルバムなので、その音はさすがに古いかなあ、と思ったんですが、意外とまだまだ今の耳にも耐える、演奏的にも整った、聴き応えのある音です。懐かしさと共に、幸せな一時を過ごせました。

LPからデジタルに変換した音なので、ところどころ、プチプチッとスクラッチノイズが入ったり、音圧の高いところで、ちょっと音がびびったりするところも懐かしい。そして、リーダーの柳ジョージさんは、2011年10月10日、63歳で逝去されました。惜しいなあ。僕は、柳ジョージのこぶしを効かせた、男気をプンプン漂わした、ちょっと演歌っぽいボーカルが大好きでした。

 
 

大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。

がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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