クラプトンを聴き直さんとなあ
この3月、3年ぶりに、Eric Clapton(エリック・クラプトン)のニュー・アルバムがリリースされるという報に接して、そう言えば、しばらく、クラプトンを聴いていないなあ、と思った。新譜は2005年の『Back Home』以来、御無沙汰だし、これはあかんなあ、としばし反省である。
ということで、我がバーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」では昨晩から、エリック・クラプトン祭である(笑)。といっても、懐かしの70年代館なので、まずは70年代クラプトンから聴こう、ということで、選んだアルバムというか、ボックス盤が『Crossroads 2(Live In The Seventies)』(写真左)。
この『Crossroads 2』は1996年にリリースされたCD4枚組のボックス盤で、1970年代のライブ音源全35曲を収録。CD4枚のトータル時間は約4時間半とボリューム抜群。Live In The Seventies と副題にある位なので、このライブ・ボックス盤には、1970年代クラプトンの美味しいところがギッシリと詰まっている。
全35曲は年代順に並べられているとされる『Live In The Seventies』 であるが、ボックス盤の最初に収録されているのは、1974年のアルバム『461 Ocean Boulevard』のアウトテイク『Walkin' Down The Road』で、ちょっと「アララ」と肩すかしを食ってしまうところはご愛嬌(このアウトテイクを冒頭に持ってきた動機は不明である)。
しかし、2曲目からはご安心下さい。1974年7月19日にカリフォルニアの Long Beach Arena でのライブ『Have You Ever Loved A Woman』から、1978年11月28日にイギリスの Victoria Hall での『Crossroads』までライブ音源が続き、最後は1978年のアルバム『Backless』からのアウトテイク3曲で締め括られる。
こうやって内容をまとめてみると、このボックス盤は70年代クラプトンの「ショーケース」的存在やなあ、と改めて感心する。
70年代クラプトンと言えば、70年代初頭、デラニー&ボニーの影響をもろに受けて、米国南部のロックのテイスト「スワンプ」に走り、デュアン・オールマンに出会い、サザン・ロックに身を投じる。そこで生まれた名盤が『Layla and Other Assorted Love Songs(いとしのレイラ)』である。
その後、ジョージ・ハリソンの妻、パティへの横恋慕が昂じてドラッグに走り、遂には演奏不可能な状態に陥ってしまう。しかし、そこは何とか踏ん張って、1974年、レゲエなヒット曲「I Shot The Sheriff」を引っさげてカムバック。
ここでのクラプトンは、スワンプからサザン・ロックの雰囲気を引きずりつつ、当時、サザン・ロックのトレンドだった「レイド・バック」をいち早く取り入れてた、スロー・テンポからミッド・テンポが中心の、適度にユルユルのブルース・ロック。これが、70年代クラプトンの完成形となった。
そんな70年代クラプトンの完成形となった、適度にユルユルのブルース・ロックが、このボックス盤の中にてんこ盛り。リーダー作の世界では『461Ocean Boulevard』から『There's One in Every Crowd』そして『Slowhand』の音が中心に収録されている。
これが良いんやなあ。僕はクラプトンの歴史の中では、70年代クラプトンの音が圧倒的に好きだ。特に、『461Ocean Boulevard』から『There's One in Every Crowd』の2枚は大の愛聴盤で、当然、このライブ・ボックス盤『Crossroads 2』は、70年代クラプトンの音はこれだけでも良い、と思う位に、大好きなライブ盤である。
録音も良いライブ音源で、当時クラプトンが愛用していたエレギ「ブラッキー」の音が凄く心地良い。伸びの良い高音、締まりの良い低音、ストロークの安定感。この時代のクラプトンの「ブラッキー」は無敵のエレギである。この「ブラッキー」のライブでの音を心ゆくまで楽しめるところも、この『Crossroads 2』の素晴らしいところ。
3月12日発売の新譜『Old Sock』を入手するまでに、ちょっとクラプトンを聴き直さんとなあ。特に、21世紀に入ってからのクラプトンとは疎遠になっているので、ちょっと詰めておかなきゃあかんなあ、と気合いを入れ直している。
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