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2013年3月15日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・41

さて、久々に、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの名物シリーズ「ジャズ喫茶で流したい」の第41回目。

ジャズのアルバムをコレクションしていると、時に、全く話題に上らない、全くその存在が知られていない、全く未知のアルバムに、ひょんなことから出会って、その音を聴いてみて、あらビックリ。その素晴らしい内容に感動し、自分だけが知る「秘密の名盤」として、とっておきの盤として、コレクションにひっそりと留めおく、ってなことがたまにある。

例えば、このDon Ellisの『Don Ellis Live in India』(写真左)なんて、そんな僕にとっての「秘密の名盤」の中の一枚。1978年2月、インドはボンベイ(今のムンバイ)でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Leon Gaer (b), Dave Crigger (ds), Randy Kerber (p,key), Don Ellis (tp), Emilie Diehl (vo)。

Don Ellis(ドン・エリス)は「変拍子の鬼」として知られたトランペット奏者。映画『フレンチ・コネクション』など映画音楽も手掛ける。ビッグバンドのリーダーでもあった。既に34年前、1978年12月に鬼籍に入っている。もはや伝説のジャズメンである。

僕は、ドン・エリスについては、ビッグバンドのリーダーとしての存在しか知らなかった。このブログでは「ビッグバンド・ジャズは楽し・6」(左をクリック)として『Live At Monterey!』を、「ビッグバンド・ジャズは楽し・12」(左をクリック)として『Soaring』の2枚をご紹介している。まあ、これはこれとして、読んでいただくとして、今日はこの『Don Ellis Live in India』である。

冒頭の「Fine Line」を聴いて、曲のリズムは2-2-3-3-4-2-2-2-3-5と、もちろん「変拍子の嵐」。いきなり、思いっきりへんてこりんな「変拍子」を刻んでいる。じっと聴いていると、不思議なノリを感じるようになる。他のジャズではあまり体験しない、不思議なノリ。そう、これこそ「変拍子」効果。繰り返し聴いていると「病みつき」になります。

実にエネルギッシュで美しく捻れたエレピのフレーズ。千手観音のように縦横無尽に切れ味良く叩きまくるドラム。重低音を底に轟かせて重心の低いビートを供給するベース。そして、そんな良質でヘビーメタルなエレクトリック・ジャズなバッキングを従えて、素晴らしいテクニックと大音量、ブラスを素晴らしく響かせて、ハイノート・ヒッターの本領を発揮する、知る人ぞ知る伝説のトランペット。
 

Don_ellis_live_in_india_2

 
こんな素晴らしいエレクトリック・ジャズのライブ盤があるなんて、全く知らなかった。本当に適当に聴いて「ビックリ」である(笑)。

ドン・エリスについては、先に述べたように、ビッグバンドのリーダーとしての存在しか知らなかったので、そのビッグバンドのリーダーであるトランペッターがワン・ホーン・カルテットで、しかもインドという異国の地でライブ演奏しているのだ。そんな単純な興味本位な動機だけで手にしたライブ盤であった。

2曲目の「Tr's Theme」以降、密度の高い、ハイテクニックでエネルギッシュな、素晴らしいエレクトリックなジャズが展開されている。しかも、全編に渡って、ドン・エリスのトランペットの素晴らしいこと。大きな音で、ブラスの煌めく様な響きを散りばめながら、オープン・ホーンでバリバリに吹きまくる。ドン・エリスのトランペットって、こんなに素晴らしい、こんなに凄いもんやったんやなあ、と心から感心した。

聞けば、ドン・エリスの、恐らく今のところ残された最後の音源(遺作)とのこと。このライブ盤を録音した10ヶ月後に亡くなっていることを考えると、逆を返すと、死の10ヶ月前に、こんなに素晴らしくエモーショナルなトランペットを吹きまくっていたことになる。すごいぞ、ドン・エリス(笑)。

このライブ盤の音の雰囲気が良い。ややモッコリとした、レンジは広くないが、音の迫力、音の勢いがしっかりと詰まったライブ感溢れる音。これがなんと、ドン・エリスが、このインドで行ったライブをカセットテープで録っておいたらしく、このCDはそのカセットテープからCDにされたとのこと。それにしては音が良い。意外なお得感。

このライブ盤は、僕にとっての「秘密の名盤」の中の一枚。我がバーチャル音楽喫茶『松和』で、時折、密かにかかる「秘密の名盤」。このライブ盤を聴いたジャズ者の方々は、決まって呟く。「このトランペット、誰や」。そして、このライブ盤の音を聴き進めていって、やはり呟く。「なんやこれ。このライブ盤は誰のライブ盤なんや?」。

ふふふっ。ドン・エリスのワン・ホーン・カルテット、しかも、インドでのライブ盤、しかも、ドン・エリスの遺作。この自分だけが知る「秘密の名盤」との出会いというのも、ジャズのアルバムのコレクションの醍醐味というものなんですね。

 
 

大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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