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2013年3月11日 (月曜日)

こんなアルバムあったんや・15

今日は久し振りに「こんなアルバムあったんや」特集。ジャズにも、それぞれの時代毎に流行り廃りというものがあって、そんな流行りのアルバムを聴くと、その当時の環境や雰囲気が思い出されて、懐かしい想いに駆られたりする。

そんな流行りのアルバムの一枚が、Bobby Enriquez & Richie Cole『The Wildman Meets the Madman』(写真左)。1981年10月30&31日の録音。フィリピン出身のピアノの野人ボビー・エンリケスとアルトの狂人リッチー・コール(写真右)の楽しいライブ盤。

1981年リリースの作品。ちなみにパーソネルは、Bobby Enriquez (p), Richie Cole (as), Bruce Forman (g), Bob Magnusson (b), Shelly Manne (ds)。1981年と言えば、フュージョン・ジャズのブームが峠を越え、メインストリーム・ジャズが復権し始めた時代。ハードバップ時代からの「たたき上げ」ジャズメンが続々と還ってきた。

そんな中、新しいジャズメンも続々とデビューしてきた。そんな中、彗星の如く現れた、アルト・マッドネスの異名を取ったリッチー・コール。そして、そのリッチー・コールに導かれるように現れ出でたピアニストが、フィリピン出身のピアノの野人ボビー・エンリケス。

ピアノの野人ボビー・エンリケスとアルトの狂人リッチー・コールの演奏スタイルは「ビ・バップ」。ビ・バップの演奏スタイルを、ハードバップなマナーに則ったロングプレイを基本とした、長時間のアドリブ展開が特徴。

「ビ・バップ」とは、最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿った形でありながらも、自由な即興演奏(アドリブ)を順番に行う形式が基本の、演奏のテクニックとアドリブ・フレーズのアイデアを競う、職人的なアプローチである。

ピアノの野人ボビー・エンリケスとアルトの狂人リッチー・コールは、そんな職人的なアプローチを、跳ねるように、走り回るように、叫ぶように、吹きまくる、弾きまくる。とにかく賑やか。時に「喧噪」という言葉がピッタリの躁状態のアドリブ。しかし、テクニックが確かで、アドリブ・フレーズが正統派なものなので、耳触りにはならない。
 

The_wildman_the_madman

 
でも、1981年当時、この跳ねるように、走り回るように、叫ぶように吹きまくる弾きまくる「躁状態のアドリブ」が、「五月蠅い」とか「はしたない」とか「下品」などと揶揄されて、硬派なベテランジャズ者の方々中心に、意外と嫌われていた様な思い出がある。

でも、ビ・バップって、跳ねるように、走り回るように、叫ぶように吹きまくる弾きまくる「躁状態のアドリブ」が特徴なのにね。不思議とビ・バップは、「五月蠅い」とか「はしたない」とか「下品」などと揶揄されることは少なかった(笑)。

僕は、このライブ盤の演奏は意外と気に入っていました。「躁状態のアドリブ」とは言え、テクニックが確かで、アドリブ・フレーズが正統派なものなので、ポジティブに楽しめる。確かに情緒は無いが、エネルギッシュではある。1981年当時、心に元気をつけたい時、このライブ盤は大活躍しました。

冒頭の「Groovin' High」なんて、一聴するだけで「あ〜ジャズやなあ」と思いますね。エンリケスのピアノがポンポンと跳ね、コールのアルトがブラスの響きも高らかに疾走する。エンリケスもコールも力の限り吹きまくり弾きまくる。テクニック中心のジャズの醍醐味です。めくるめくアドリブ・フレーズの洪水。

そして、ビ・バップ風味の「Green Dolphin Street」が圧巻。こんなに躁状態の「Green Dolphin Street」は聴いたことが無い(笑)。もともとかなり複雑なコード進行が特徴の曲なんですが、いとも簡単にビ・バップ風のアドリブ・フレーズを吹き上げていくリッチー・コールは圧巻の一言。そのバックでグリグリとピアノを叩くように弾きまくるエンリケスも凄い。

情緒は無いが、エネルギッシュなメインストリーム・ジャズな内容で、このライブ盤の演奏内容は、それぞれの高度なテクニックを基本に楽しめる佳作だと思います。

まあ、ジャズに情緒やセンチメンタリズムを求める向きには、とんでもないライブ盤ではあります(笑)。これもジャズ。避けて通るには、勿体ないライブ盤だと思います。

 
 

大震災から2年。でも、決して忘れない。まだ2年。常に関与し続ける。
がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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